出版社内容情報
ハンス・アルフレート・クナッパーツブッシュ――ドイツに生まれ、二度の世界大戦を生きぬいた、偉大なるヴァーグナー指揮者、そしてまた謎多き指揮者。ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーなど埋もれた録音が次々と発掘され、彼の芸術は今なお多くの人々を魅了してやまな人。
ニキシュ、R.シュトラウス、Ｓ.ヴァーグナー、ヴァルター、ヴァイル、ショルティといった音楽家たち、T.マン、シュペングラーのような作家・思想家たちとのあいだで織りなされるさまざまな人間模様。音楽あるいは音楽家が、政治の大きな懸案たりえた時代の位相を、ドイツ哲学・思想を専門とする著者が、膨大かつ貴重な資料に、執拗なまでの緻密さで検証を加えながら、巨匠の知られざる生涯と、その暗い時代との関わりに迫る。
ひたすら対象に肉薄しようとする気迫、鋭利な分析と平明な筆致によって、謎と伝説に包まれた巨匠の姿が、いまここに明らかにされる。
書評情報：
音楽の友 2001.8
奥波一秀（おくなみ・かずひで）
1966年、高岡に生まれる。1990年、東京大学教養学部教養学科卒業。訳書 バーリン『北方の博士Ｊ.Ｇ.ハーマン』（みすず書房、1996）、論文「言語における理性と歴史」（『理想』No.652, 1993）ほか。
内容説明
厖大な史料を緻密に検証する。その先に見えてくる大指揮者の真の姿とは。暗い時代との関わりを問う意欲作。
目次
１ 「巨匠」への道（生い立ち １８８８‐１９１３；エルバーフェルト時代 １９１３‐１９１８；ライプチヒ時代 １９１８‐１９１９；デッサウ時代 １９１９‐１９２２）
２ 政治と音楽（ミュンヘン時代 １９２２‐１９３６；ウィーン時代 １９３６‐１９４５；戦後ドイツ １９４５‐１９６５）
著者等紹介
奥波一秀［オクナミカズヒデ］
１９６６年、高岡に生まれる。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了（倫理学専攻）。博士（文学）。東京理科大学・日本大学非常勤講師（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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