出版社内容情報
チャップリンからジャームッシュまで、<画面> 自身によって再構成される新しい映画理論の冒険。
内容説明
チャップリンからジャームッシュまで、〈画面〉自体によって再構成される新しい映画論の冒険。密度、フレーム、モンタージュ…。刺激に満ちた5つのエッセー。
目次
第1章 霧の波止場とオペラハウス―密度論
第2章 カメラ=殺人者説―フレーム論1
第3章 フレーム・オブ・レファランス―フレーム論2
第4章 ショットを数えろ―モンタージュ論
第5章 鏡の迷路あるいは映画と小説という問題―トポス論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蛸
12
後書きによると本書は『映画ジャンル論』の姉妹編となるべく執筆されたものらしい。(いつもながら)著者の批評は、「画面」を見ることを出発点にするものだが、本書では、画面の密度、フレーム、編集、鏡というモチーフ、がそれぞれの章の切り口とされている。全編に渡って素晴らしい批評が展開されているが、特に『黒い罠』冒頭の長回しを分析した文章の鮮やかさは圧巻。そして、映画を「鏡の迷路」に喩える感性の鋭さに痺れる。「小説がみずからのうちに手紙を取り込んだのと同じ意味で、映画はみずからのうちに鏡を取り込んだ」。2022/02/03
hata2
1
面白いが、引用している映画の数が少ないため、この映画の方が例として適切とか、この映画の場合は分類から逸脱しているとか、うるさ型の映画ファンから色々突っ込まれそう(私はそうではないけど)。2020/04/05
soemias
1
POVカメラがすべてを知っていること自体が神話的信仰だと思い知らせた。基本的な話だが以外に気づきにくい。映画論ではあるが、事実上画面の向こうに我々が必ず存在するしかないメディアには必須的かも。テクストノベルの場合はとくに。2012/05/07
JunTHR
1
再読。加藤幹郎さんの本は初。分類の方法のそれ自体がまず面白い。で、その分類法を適用し、分析する手腕の見事さと文章の巧みさがまた魅力的。読み物としてそれだけで十分なものなうえに、(映画論として一番大切だと思うが)読者に「もっと映画を観たい」と思わせる文章でもあるのが素晴らしい。表題作が一番良かった。画面の密度の分類も好き。徹底して「画面」と「音」に意識を向けるその態度の大切さ、改めて。2011/01/26
rinrin
0
【BOOK(2014)-253】!!!!!!!2014/12/23