出版社内容情報
社会の急速な高齢化とともに、高齢者のメンタルヘルスがさし迫った問題として浮上してきた。精神病院の入院患者に占める高齢者の割合は増加の一途をたどっている。また、老年患者の精神障害に困惑する一般病棟や、ケースの急増に苦慮する社会福祉当局からも、早急な対策を求める声があがっている。高齢者ができる限り充実した自立的な生活を送れるよう、さまざまな施策を実行しない限り、各国の医療福祉財政は水没してしまうだろう。
本書は、高齢者に対する地域ケアを積極的に推進してきた英国で、長年にわたり必携の書として読まれ続けている。老年精神医学の中心となる痴呆、うつ病などの丁寧な解説に加え、よりよいケアをすすめるヒントが随所にみられる好著である。病院における老年精神科ファームの開設、デイホスピタルの活用、痴呆高齢者ホームの整備などについての著者の提言は傾聴に値する。
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Brice Pitt(ブライス・ピット)
1931年生まれ。1955年ガイ病院医科大学で医師資格を取得。1986-95年、ロンドン大学、セントメアリ王立医科大学院老年精神医学教授。初期の研究業績として産褥期うつ病の研究が知られているが、その他に俳優の経歴もあり、イギリス精神医学界では、以上の三つの経歴を持つ人物として著名。著書(共著)Down with Groom. How to Defeat Depression(Gaskell, London,1994)ほか。
木戸又三(きど・またぞう)訳
1932年群馬県生まれ。1959年東京医科歯科大学卒業。1972-97年東京都養育院付属病院(1986年に東京都老人医療センターに改称)精神科医長、部長。著書(いずれも分担執筆)『司法精神医学(現代精神医学大系24)』(中山書店、1976)『今日のうつ病治療』(金剛出版、1990)『新老年学』第2版(東大出版会、1999)ほか。
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関連書:
E.H.エリクソンの本より
『ライフサイクル、その完結』
『老年期』
『青年ルター 1』
そのほかに
M.サートン『回復まで』『今かくあれども』
内容説明
せん妄、痴呆、うつ病など高齢者の遭遇する心の困難にどう対処するか。一般医、家族、介護関係者も必読のハンドブック。地域ケアの先例、イギリスの経験に学ぶ。
目次
老年精神医学とその課題
老化とその問題点
専門家的態度
高齢者の精神障害の分類
せん妄(急性錯乱状態)
痴呆
うつ病
躁病
妄想状態
神経症〔ほか〕
著者等紹介
ピット,ブライス[ピット,ブライス][Pitt,Brice]
1931年生。1955年ガイ病院医科大学で医師資格を取得。1986年より1995年まで、ロンドン大学、セントメアリ王立医科大学院老年精神医学教授。初期の研究業績として産褥期うつ病の研究が知られているが、その他に俳優の経歴もあり、イギリス精神医学界では、以上の三つの経歴を持つ人物として著名
木戸又三[キドマタゾウ]
1932年群馬県生。1959年東京医科歯科大学卒業。1972年‐1997年東京都養育院付属病院(1986年に東京都老人医療センターに改称)精神科医長、部長
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感想・レビュー
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- 和書
- 景観法と地域政策を考える