出版社内容情報
ド・ゴールからキッシンジャーまで。欧州の政治的・知的緊張に積極的にかかわった歴史的な証言。
内容説明
ド・ゴール、サルトル、キッシンジャー…。60年代の“政治の季節”から80年代まで、フランスとヨーロッパが経験した知的・政治的な緊張の全体像を伝える希有な証言。アロンとは誰だったのか。
目次
第3部 苦悩する教授―1955‐1969(続き)(産業社会;ド・ゴール将軍の大構想;平和と戦争 ほか)
第4部 特権的知識人としての歳月―1969‐1977(ピエール・ブリソンからロベール・エルサンへ;ポスト=ド・ゴール主義;イデオロギー批判について ほか)
第5部 執行猶予―1977‐1982(塞栓症;『レクスプレス』誌;ある世代の終わり)
感想・レビュー
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ぽん教授(非実在系)
1
自己愛を拗らせ発狂する旧友サルトル、五月危機の乱痴気騒ぎ、弟子ピエール・ブルデューとの信念の違いからくるすれ違い、大学や新聞社及び政治家の世代交代……アロンの後半生もまた波乱万丈であった。英雄ド・ゴール将軍の退陣とフランスの国際的影響力の低下を嘆きつつ、ユダヤ人としての意識を持ちつつもフランスへの愛国心を持ちイスラエルのユダヤ至上主義には反発するポジションだったアロンが見通した政治分析はことごとく当たったが、外れまくったサルトルの方が未だに歴史に大きく名を残す。先見の明がある人らしい人生である。2018/04/25