エントロピー法則と経済過程

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  • サイズ A5判/ページ数 598p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622037910
  • NDC分類 331
  • Cコード C3033

出版社内容情報

地球環境の危機をもたらすエネルギー浪費型経済に対する方法論的批判。エコロジー経済学の古典。

内容説明

本書は、生産と消費の市場原理を基礎に成立する経済学に対し、生命的自然の体系と循環の論理の視点からの経済学を主張する―資源=エネルギー浪費型の経済から、地球の生物圏と調和しうる規模の経済へ。本書は、経済学のパラダイム転換をもたらし、人間の思考と社会の変化にまで大きな影響を及ぼさずにはおかない書物の1冊である。物質的宇宙にあってエントロピーはたえず増大しつづけている。そこでは秩序から混沌への継続的で不可逆的な質的劣化が進行している。そのなかで自然資源を浪費し、環境を汚染する経済過程のエントロピー的性格と、経済的発展によるその過程の加速とが、今日の緊急課題となっている。本書は、まさにこの課題に応える。それは、エントロピー法則を基軸に、不再帰的な時間の流れの中にある経済過程を分析することによって、本質的に機械論的・無時間的な構成をとっている新古典派の経済学に対し方法論的批判を試みる。そして物理学や生物学、プラトンからベルクソン、フッサールにいたる哲学を縦横に援用しながら、“生物経済学”の理論的枠組みの構築がめざされる。

目次

科学―簡単な進化論的分析
科学、擬数主義、および弁証法
変化、質、思考
測度、大きさ、および同一性―物理学からのいくつかの教訓
新奇性、進化、エントロピー―物理学からのいくつかの教訓(続)
エントロピー、秩序、確率
偶然、原因、目的
進化対移動
過程の分析的表現と生産の経済学
エントロピー、価値、発展
経済学について―いくつかの一般的結論

著者等紹介

ジョージェスク‐レーゲン,ニコラス[ジョージェスクレーゲン,ニコラス][Georgescu‐Roegen,Nicholas]
1906年ルーマニアのコンスタンツァに生まれる。ブカレスト大学の数学科に学ぶ。政府留学生としてパリに留学、統計学を専攻。その後、ロンドンで、数理統計学の創始者カール・ピアソンの指導を受ける。1934年アメリカに渡り、ハーヴァード大学でシュンペーターに学び、統計学者は経済学者に変身。1936年ルーマニアに帰国、ブカレスト大学統計学部の教職の傍ら、中央統計研究所の役職を勤める。第2次大戦後、休戦委員会の事務局長の任につく。1948年アメリカに亡命。1949年ヴァンダービルト大学の経済学の教授となり、数理経済学のパイオニアとしての業績を上げる。1990年ローマに設立された生物経済学会の名誉会長を勤める。1994年没

高橋正立[タカハシマサタチ]
1932年に生まれる。1962年京都大学大学院経済学研究科退学

神里公[カミサトイサオ]
1933年に生まれる。1955年東京大学経済学部卒。元東洋大学教授。1996年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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