出版社内容情報
現代日本経済の根元に、ナショナリズム論、ヴェーバー市民社会論、リスト受容史を通して迫る。
内容説明
幕末の神奈川・長崎・函館開港から、130年、世界市場に強制的に編入された日本経済は、一世紀余を経て今やわが世の春を謳歌しているかに見える。しかし、リクルート事件に端的に見られるように、政治の庇護を得てもうける企業、倫理の背骨をもたない「自由」の横行―こうした事代はまさに「近代」は所与ではなく、われわれに突きつけられた課題だということを如実に物語っている。本書は、日本近代に固有の問題解明への視点を提供し、また先人たちがこれをいかに捉えたかを考察する。
目次
1 「東洋の英国」と「東洋の土人部落」―北一輝の経済思想とファシズムへの道程
2 ナショリズム―その歴史的背景と今日的意味について
3 都市と西欧市民社会―ヴェーバー理論を手がかりとして
4 自由主義経済学の受容
5 半世紀のリスト受容