出版社内容情報
「気鋭のトルコ学者が描く近現代のトルコ通史。近代ヨーロッパの裏面史としても読める」(朝日新聞 2001.6.10)
トルコはヨーロッパなのか、アジアなのか。18世紀から21世紀まで、「イスラム国家」オスマン帝国から「国民国家」トルコ共和国への転身をたどる。
内容説明
イスラムの守護者として常にキリスト教世界と対峙し、東地中海に君臨した栄光のオスマン帝国。その実体は、多くの異教徒を抱え込みながら緩やかな統合を実現する「イスラム国家」だった。本書が描くのは、その帝国が西洋との絶えざる交渉の中で、中央集権的な「国民国家」への変身を志し、もがき苦しみつつそれを果たしていく過程であり、また、多大の犠牲を払ってたどり着いた「国民国家」が決して終着駅ではなかったことに気づき懊悩する姿である。近代トルコの味わった興奮と痛みは、おそらくその一国のみの経験ではあるまい。イスラム世界に関心を抱く読者にとって、本書は絶好の水先案内となるだろう。内外における最新の研究を見据えて書き下ろした、気迫あふれる通史である。
目次
カルロヴィッツ
前提―一八世紀のオスマン帝国
改革への序章―セリム三世と「新体制」
中央集権化への道―マフムート二世の時代
タンズィマートの時代(一八三九年~一八七六年)
立憲政と専制政治(一八七六年~一九〇八年)
第二次立憲政の時代(一九〇八年~一九一八年)
独立戦争の展開とトルコ共和国の成立(一九一八年~一九二三年)
一党支配の時代(一九二三年~一九四五年)
複数政党制への移行(一九四五年~一九五〇年)
民主党の時代(一九五〇年~一九六〇年)
第二共和制の時代(一九六〇年~一九八〇年)
第三共和制―二一世紀を迎えるトルコ
著者等紹介
新井政美[アライマサミ]
1953年、東京に生まれる。1976年、東京大学文学部東洋史学科卒業。1984年、同大学院東洋史専攻博士課程修了。大阪市立大学文学部助教授(史学教室)、東海大学文学部教授(文明学科・西アジア専攻)などを経て、東京外国語大学外国語学部教授(トルコ語専攻)。オスマン帝国史、トルコ近代史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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