出版社内容情報
<安楽への全体主義> へと向う世紀末日本社会の変質を、20世紀史への深い洞察の眼ざしで考察。
内容説明
著者は、『精神史的考察』以後の80年代、人類史的問題群と20世紀における「受難」経験と現代日本社会論とを貫通する立体的構造を明らかにすることを、残された時間でなされねばならぬ思考課題と考えた。本書には、その探求の過程を示す諸篇が収録されている。高度成長、バブル崩壊後の変質あるいは変貌という以上の「断絶」を生じた日本社会を、人類史と20世紀史への深い洞察のまなざしで見据える。「断絶の場所こそわが棲み家」とする著者最後のメッセージ。
目次
精神の非常時
今日の経験―阻む力のなかにあって
ナルシズムからの脱却―物に行く道
「安楽」への全体主義―充実を取戻すべく
全体主義の時代経験
現代日本の精神
マルクス主義のバランスシート
三つの全体主義の時代
小さな希望の種子―一九九六年「みすず」読書アンケート
金山叙事詩序曲について―その一解釈
感想・レビュー
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