出版社内容情報
天皇制国家の構造を、戦後精神の認識力で、その起原に遡って、理論的・歴史的に明確に把える。
内容説明
「天皇制国家」の辿った歴史過程の複雑かつ錯綜した文脈が含む論理過程の重層的な構造分析が果たされ、最もラディカルに「天皇制国家」克服への道が指し示された。戦後思想史において、また人民主権への精神史的道程において、本書はその画期的意味をもちつづける。
目次
天皇制とは何か
天皇制国家の支配原理
天皇制とファシズム
天皇制のファシズム化とその論理構造
「諒闇」の社会的構造―「昭和元年」の新聞から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
143
これも学生時代に読んだことがあり何度か再読している本です。昔は未来社から出されていたのが今はみすず書房でも出されているようですね。比較的短い論文がいくつか収められているのですが、やはり表題になっている論文が読む価値が一番あるのでしょう。最近はこのような本を読む人は学者か興味を持っている人だけなのでしょうが、天皇制や国家、国旗、国について考えを深めるにはいい本だと思います。私は考え方が保守的でこの中に書いてあることにもろ手を挙げて賛成ということではないのですが、このような本を読まないで批判する人も多いですね2017/02/21
内原拓宗
0
何故、多くの組織が体制だけでなく心理的にまでピラミッド化していき、そのピラミッドが合わさって大きなピラミッドになっていくのか。その源泉を明治から昭和にかけて形成された「天皇制国家」に求めた本書は、現在の日本社会を考えるうえで大きな示唆を与えてくれます。