内容説明
脳死と〈人間の尊厳〉の問題は、もっとも現代的な問いである。いままでの生死についての常識が新しい検討のテーマとなり、「生きる権利」と「死ぬ権利」は別々のものではなく、深くつながっている。またかつての〈生きることの尊重〉というモラルも単純なものではなくなった。
目次
1 文明と野蛮(征服がもつ両義性;生命は横溢する;待ち伏せる死;われわれの死ぬ権利)
2 生命礼賛(生命尊重のタブー;医療の権力;生命の値段;生命の質の不均一性)
3 生命の終末(自殺による死;安楽死:禁句であろうか?;内密の安楽死;死の質)
4 生命の組織化(肉体の社会的管理;誕生と晩年;世界的規模の健康;種の生命)