出版社内容情報
ブロイラーの分裂病概念に、ベルクソンの影響を受けた独自の立場から深い解釈を加えた、精神医学者の主著。ベルクソンの影響下「分裂病」を捉え直したフランスの精神医学の成果。
2001年9月10日復刊・発売
内容説明
本書の著者ミンコフスキーは、「現実との生ける接触の喪失」という概念によって、単なる臨床的疾患であることを超えた、ある特殊な〈病的な人間〉の人間学的把握をここに試みたのである。この概念は、自閉性から出立する。ミンコフスキーの本書は、その師ブロイラーを乗りこえた新しい理論を打ち立てた―L.ビンスワンガーとともに、哲学の援用を受けることによって、最近精神医学のパイオニア的役割を果たした―ばかりでなく、きめの細かい精神病理学的記述によって、精神分裂病の理解のための一般的案内書として、読書界にながい生命を持ちつづけている。
目次
第1章 分裂性と同調性(グレッチュマーの分裂性性格と循還性性格、類分裂性性格と類循還性性格;ブロイラーの分裂性性格と同調性性格;デルマ、ボルによる性格の研究;分裂性、同調性の概念を導入することによって生ずる精神病学の諸問題)
第2章 精神分裂病の基本障碍と分裂病的思考(現実との生ける接触;知的痴呆と分裂病的痴呆;分裂病者の空間的思考)
第3章 内閉性
第4章 分裂病的態度と精神的常同症(病的夢想;類分裂病なる概念の批判、正常夢想と病的夢想;病的不満と単純性類分裂病;分裂病的態度と精神的常同症)
第5章 分裂病概念の治療的意義(分裂病に対する「的外れ」の批評について;分裂病概念の治療的意味)
第6章 展望(体質的類型学;精神病理学的機構;形の世界;言語)
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