出版社内容情報
-クレペリン《精神医学》6-
精神医学をまなぶ人は誰でも一度は読むべき20世紀の知的遺産。総論部分では、精神疾患の分類、現象、経過、診断、治療などについて懇切な解説をし、また、精神病院の史的変遷も総括する。自身の歴史観と抱負が明らかに示され興味深い。邦訳全6巻完結。
目次
精神障害の分類
精神疾患の諸現象(認知過程の障害;理解機能の障害;感情生活の障害;意志と行動の障害)
精神疾患の経過、転帰および持続(精神疾患の経過;精神疾患の転帰;精神疾患の持続)
精神疾患の診断(患者の診察;精神疾患の境界;偽装と否認)
精神疾患の治療(精神的治療;精神病院)
感想・レビュー
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言葉遊びの項、「お世辞屋(ドゥースール)に話しかけられた時、まだ12時(ドゥーズール)だと答えた」例のように、フロイトたちと同じ出発地点にいるがそこから足を進めず、記述に留まっているような印象。 逆に患者の談話の例のように、解釈を挟まない事が豊かさを与えている部分もある。クレペリンはその内容に踏み入らないが、王侯貴族を称する振る舞い、医師を誘惑してみせる女性患者の例などが目立つ。 他には、無根拠な療法の紹介、狂人の単なる隔離施設からの転換が完了しつつあった当時の精神病院とそこに働く人々の状況など。2015/06/11