イデーン〈2‐1〉純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想 第2巻 構成についての現象学的諸研究

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  • サイズ A5判/ページ数 227,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622019183
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C3010

出版社内容情報

現代思想の原点と呼ばれ、20世紀が生んだ最も重要な哲学書の一つである『イデーン』(純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想(イデーン))。現象学的還元とノエシス・ノエマ的構造を論じた第Ⅰ巻2分冊につづいて、遺稿である第Ⅱ巻「構成についての現象学的諸研究」では、全体を貫くテーマである真なる現実の構成、世界定立の解明に向けた分析がなされる。

「原的に現前しうる諸対象の全体は、相互にコミュニケーションの可能なすべての主観にとって共通の原的現前の領界を形成しており、この全体が第一の根源的な意味での自然である」(193頁)。メルロ=ポンティは「おそらくこの数行以上に、本質の分析論であるとともに実存の分析論であるというフッサールの反省の二重の意味がよく認められる箇所はない」(「哲学者とその影」)と言っているが、本巻では、自然の概念の分析からはじまり、自然が間主観的な現実であり、感情移入が間主観的客観性を構成するという問題まで、厳密かつ徹底した反省の営為が展開される。

原書『イデーン』第Ⅱ巻を邦訳では2冊に分け、本巻には第一篇「物質的自然の構成」と第二篇「有心的自然の構成」を収録した。

イデーン――純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想 全3巻(5冊)
第1巻 純粋現象学への全般的序論(二分冊)
第2巻 構成についての現象学的諸研究(二分冊)
第3巻 (一冊)

Edmund Husserl(エトムント・フッサール)
1859年4月8日当時のオーストリア領に生れる。1876年ライプチヒ、ベルリン、ウィーンの各大学に学び、1883年学位を得る。1884年ウィーン大学のブレンターノの門下に入り、専攻していた数学から哲学への道を歩む。1906年ゲッチンゲン大学教授となり1916年まで在職。その後1928年までフライブルク大学教授。主著は本書のほか『算術の哲学、心理学的・論理学的研究』(1891)『論理学研究』(1900-01、みすず書房、1968-76)『厳密な学としての哲学』(1911、岩波書店、1969)『内的時間意識の現象学』(1928、みすず書房、1967)『デカルト的省察』(1931、岩波文庫、2001)『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』(1936、中公文庫、1995)『経験と判断』(1939、河出書房新社、1975)ほか。

立松弘孝(たてまつ・ひろたか)
1931年名古屋に生れる。1953年南山大学文学部独文学科卒業。東京大学大学院修士課程を経て、1955-58年ボン大学で哲学専攻。南山大学名誉教授。訳書 フッサール『現象学の理念』『内的時間意識の現象学』『論理学研究』全4巻(2、3は共訳)(以上みすず書房、1965, 1967, 1968-76)。

別所良美(べっしょ・よしみ)
1956年に生れる。名古屋大学大学院文学研究科(哲学専攻)博士後期課程修了。現在 名古屋市立大学人文社会学部助教授。専門 ドイツ哲学・社会哲学。主要業績「ヘーゲルと現代性」(『ドイツ観念論と現代』こう洋書房、1992)「暗黙知と共同体」(『知識という環境』名古屋大学出版会、1996)他。訳書 アルント「感情と反省」(『論争の哲学史――カントからヘーゲルへ』理想社、2001)。

内容説明

本書では、全体を貫くテーマである真なる現実の構成、世界定立の解明に向けた分析がなされ、自然の概念の分析からはじまり、自然が間主観的な現実であり、感情移入が間主観的客観性を構成するという問題まで、厳密かつ徹底した反省の営為が展開される。原書『イデーン』第2巻を2冊に分け、本巻には第一篇「物質的自然の構成」と第二篇「有心的自然の構成」を収録した。

目次

第1篇 物理的自然の構成(自然一般の理念;直観される事物そのものの存在的な意味の諸層;感性的な身体との関係における感覚的事物)
第2篇 有心的自然の構成(序論;純粋自我;心的実在;身体を介しての心的実在の構成;感情移入(Einf¨uhlung)による心的実在の構成)

著者等紹介

フッサール,エトムント[フッサール,エトムント][Husserl,Edmund]
1859‐1938。1859年4月8日当時のオーストリア領に生れる。1876年ライプチヒ、ベルリン、ウィーンの各大学に学び、1883年学位を得る。1884年ウィーン大学のブレンターノの門下に入り、専攻していた数学から哲学への道を歩む。1906年ゲッチンゲン大学教授となり1916年まで在職。その後1928年までフライブルク大学教授

立松弘孝[タテマツヒロタカ]
1931年名古屋に生れる。1953年南山大学文学部独文学科卒業。東京大学大学院修士課程を経て、1955‐58年ボン大学で哲学専攻。南山大学名誉教授

別所良美[ベッショヨシミ]
1956年に生れる。名古屋大学大学院文学研究科(哲学専攻)博士後期課程修了。現在、名古屋市立大学人文社会学部助教授。専門はドイツ哲学・社会哲学
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感想・レビュー

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roughfractus02

1
第1巻が概要なら第2巻(2-1,2-2)以降は具体的な展開が期待されるのだが、残されたのは未完の草稿である。が、この形態がハイデガーら後続の哲学者を大いに触発したという。著者にとって世界は「私にとっての」世界である。彼にとって物理的対象としての世界の実在性(自然主義的態度から見た)や因果法則は、確かめられないのだから世界それ自体ではない。それゆえ、人は物理的な刺激と反応において世界に関わるのではなく、動機づけと志向性において関わるのだ、と著者はいう。本書では感性、心、感情移入が志向性概念から捉え直される。2017/02/09

メルセ・ひすい

1
14-852011/04/16

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