内容説明
戦時下に圧伏されていた19世紀の精神はワイマール時代に総括され、再編成され、再生して新しい文明を形成した。それはバウハウスその他の芸術活動の現在への影響力からみて、何人も否定できないであろう。本書はワイマール文化に関する先駆的な研究であると同時に、ワイマール研究史上においても画期的な意義を有する研究である。
目次
1 出生のトラウマ―ワイマールからワイマールへ
2 理性の共同体―和解派と批判派
3 秘密のドイツ―権力としての詩
4 全体性への渇望―モダニティの試練
5 息子の反逆―表現主義の時代
6 父親の逆襲―客観主義の盛衰
付録 ワイマール共和国政治小史
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
棕櫚木庵
23
1/3)「戦間期」と呼ばれる時代がある.たとえば英国ではヴィクトリア時代の終わりを1901年ではなく第一次大戦に置き,戦前の“父親の文化”に対し,戦間期は,自由で若々しい“その子どもたちの文化”だった,などと言われることがある(そう言えば本格派推理小説の「黄金期」も「戦間期」だった).本書を読んで,ワイマール文化も,そういう戦間期文化の一つだったと感じた.さらに言えば,ワイマール文化の多くはすでに戦前に起源があったというが,それも,ブルームズベリ・グループなどと似ている.2020/09/28
紺青
0
本の中ほど、バウハウスが出てくるあたりから俄然興味がでてきた。 なるほど、革命がおきて世の中が変わっていく最中だからこそ芸術・文化にも影響が出てきたということか。 第一次大戦からワイマール時代を経て第二次大戦後へと続く時間の背景を知って聴くフルトヴェングラーや、クライバー、ヒンデミットは違って聴こえるかな? 楽しみが増えました。2025/06/28
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