内容説明
戦時下に圧伏されていた19世紀の精神はワイマール時代に総括され、再編成され、再生して新しい文明を形成した。それはバウハウスその他の芸術活動の現在への影響力からみて、何人も否定できないであろう。本書はワイマール文化に関する先駆的な研究であると同時に、ワイマール研究史上においても画期的な意義を有する研究である。
目次
1 出生のトラウマ―ワイマールからワイマールへ
2 理性の共同体―和解派と批判派
3 秘密のドイツ―権力としての詩
4 全体性への渇望―モダニティの試練
5 息子の反逆―表現主義の時代
6 父親の逆襲―客観主義の盛衰
付録 ワイマール共和国政治小史
感想・レビュー
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棕櫚木庵
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1/3)「戦間期」と呼ばれる時代がある.たとえば英国ではヴィクトリア時代の終わりを1901年ではなく第一次大戦に置き,戦前の“父親の文化”に対し,戦間期は,自由で若々しい“その子どもたちの文化”だった,などと言われることがある(そう言えば本格派推理小説の「黄金期」も「戦間期」だった).本書を読んで,ワイマール文化も,そういう戦間期文化の一つだったと感じた.さらに言えば,ワイマール文化の多くはすでに戦前に起源があったというが,それも,ブルームズベリ・グループなどと似ている.2020/09/28
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