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沈黙の世界

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  • サイズ B6判/ページ数 278p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784622004059
  • NDC分類 104
  • Cコード C1010

出版社内容情報

沈黙を失った現代世界に対する貴重な詩と啓示。沈黙を容認したとき言語を得た人間の歓喜が蘇る。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

兎乃

16
ゲーテ「言葉は聖なる沈黙にもとづく」、このマリア・クルム寺院祭壇の銘からはじまる本書。32章にわたり「沈黙」を語る。"言葉は沈黙について、また沈黙は言葉について、その本質をよく識っているのである" 最後の章はキルケゴールの「沈黙を創れ」の有名な一節で閉じられれる。音楽の休符やリズムに関して、そして純邦楽の「間」などについても、直接的ではないが深く考えさせられ、得たりと思えた。静寂の森で 寒さを忘れて読むのがふさわしい本、読んでよかった。2012/11/25

きゅー

6
沈黙をめぐる考察。沈黙とは言葉が生まれ出るための基盤であり、沈黙の豊穣な世界が育まれているからこそ言葉が力を持つという。しかし沈黙が言葉に先立つものだからといって言葉の重要性が低くなるわけではない。言葉こそが世界を規定し意味を付与し、人間を人間たらしめる。人間同士の対話という観点から見ると、マルティン・ブーバーの『我と汝』を強く想起させ、(言葉の)所有という章ではリルケの『ドゥイノの悲歌』での人と物とのかかわり合いを、真空の概念にはシモーヌ・ヴェイユを思い起こさせた。2013/04/04

Rie

4
沈黙を様々な観点から説明。言葉は沈黙の充満から生じ、沈黙へと還っていく。同時に客観的真理へも傾斜している。途中、宗教的な箇所やかなり抽象的な記述もあり、全て理解できたとは言えないが、符号、音声、論理としての言葉のみではなく、言葉の持つ赦しや寛容などの静かで深い世界観を感じる。2014/05/05

Waterloo

2
我々現代人は著者のいう「騒音の言葉」にすっかりやられてしまったんですね。「騒音」はすべてを水平化し、大人を子供に、子供を大人に、男を女に、女を男にするんですね。個人が持つ「沈黙」を昏睡させる眠剤です。私は「沈黙」が大好きなので、「騒音」がすべてを支配しているこの現代社会に生きるのがまったく嫌になりますね。 「汝の寂寥に逃れよ!」というニーチェの叫びに激しく共感します。

redbaron

2
沈黙無くして言葉無し…「愛の中には言葉よりも多くの沈黙がある」「黙って!あなたの言葉が聞こえるように」良い言葉だな~ キリスト教絡みのお話はちょっと理解できないけどw 読めば読むほど味が出る本だな~きっと。ゆっくりと読みたいので、再読します。2014/06/30

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