内容説明
メキシコ・シティの下層共同住宅に,ひしめきあって暮す一族の,破天荒のドキュメントである.同棲,離別,仕事,けんか,セックス,刑務所,巡礼の旅,そして,やさしさとプライド….アメリカの文化人類学者ルイスは,ヘスス・サンチェスと4人の子供たちに,それぞれ長期にわたるインタビューをおこない,みずから〈羅生門的手法〉と名づけた方法によって,色彩あふれる〈複合的自伝〉を編んだ。記号と情報の洪水のなかで,閉塞状況にある文化人類学に,新鮮な酸素と活力を吹き込むであろう。高い評価を受けている。新しい古典である。