出版社内容情報
ムクドリの群れは空に見事な飛行パターンを描く。隊列を組んで美しい形を見せると思えば、急に方向を変え、別の隊形パターンを見せて旋回し、人々を魅了する。この美しい集団行動に、統率指揮をとるボス鳥はいない。どの鳥も、近くの個体の飛行に影響を受けながら衝突することなく飛び、ただそれだけで見事な群れのパターンとその変遷が出来上がる。
この現象の鍵を握るのは「相互作用」だ。この相互作用がどのようにしてこうした全体を生み出すのか?--生態学からではなく物理学というユニークな切り口から明らかにしていく。
理論物理からムクドリの行動の秘密を解明したエピソードや取り逃がしたノーベル物理学賞、そしてスピングラスにおける世紀の大発見が語られる。素粒子物理学、集団行動、複雑性、スピングラスなど理論物理学のさまざまな科学的知見を交えたノーベル物理学賞受賞者ジョルジョ・パリージならではの日常体験に基づくわかりやすい例えは、専門家のみならず、誰にとっても読みやすく、知的好奇心を満たせる一冊。
ムクドリの群れという複雑なシステムの中で個々の個体がお互いどのように距離を取り、そしてその集団としてどのように群れとして移動するのか。原子のような小さなものの動きがどのようにして全体に影響を与え、全体のまとまりを生み出しているのか。物質の起源に関わるという理論物理学の最大の魅力を、ジョルジョ・パリージの視点とともに、わかりやすく解説する。
【目次】
第1章 ムクドリの飛行
第2章 二つの物理学―約50年前のローマの物語
第3章 後悔なんてあろうはずがない
第4章 相転移、協働現象
第5章 スピングラス―無秩序な世界
第6章 科学におけるメタファー
第7章 アイデアはどうやって生まれるのか
第8章 科学の意味



