出版社内容情報
集団における人間の心理や行動を研究対象とするグループ・ダイナミックスは、人間の社会性を科学的に探究する学問として発展してきた。クルト・レヴィンに始まるこの学問においては、集団においてメンバーたちが影響を及ぼしあって作り上げる「心理的場」とその動態の変動、そしてそれと相互作用しあう心理や行動を合わせて究明していく。日本初となる本事典では、全162項目を社会的課題の解決に関する「現象編」と、理論的研究に関する「理論編」の2つのグループに分けて構成。激しく変動し,不確かで複雑,そして曖昧さの増す社会にあって,人間は何を思い,行動し,どんな「心理的場」を環境として生きていくのか.本書が扱うグループ・ダイナミックスが,集団・社会の現象を理解し,直面する課題・問題の解決に貢献する局面は,今後さらに増えてくいくだろう。
【目次】
■現象編
●1.コンフリクト
偏見と差別/ 社会的排除・包摂/ 国際紛争/ NIMBY/ エスノセントリズム/ 交渉と合意形成/ 集団間コンフリクト
●2.多文化価値社会
信頼社会・安心社会/ 日本型雇用システム/ 異文化適応/ 移民/ 外国人労働者/ サブカルチャー/ポップカルチャー/ ダイバーシティ/ 文化変容/ 社会階級/ WEIRD
●3.群集
マス・コミュニケーション/ プロパガンダ/ 流言/ 流行・普及/ イベント/ パニック/ ファディズム/ 祭と祝祭性/ 社会運動/ 予言の自己成就/ 集合的(多元的)無知
●4.ネット社会
ネット社会とSNS/フェイクニュース/ ネットリテラシー/ 炎上/ サイバーセキュリティ/ 仮想現実/ AIと社会
●5.災害
防災・減災/ 復旧・復興/ 危機管理/ 避難行動/ リスク認知/ リスクコミュニケーション/ コミュニティ/ 被災者の心理/ ボランティア/ 被災者支援/ 防災教育/ 記録と記憶
●6.治安・犯罪
テロリズム/ ネット犯罪・トラブル/ 非行/ DV/ ハラスメント・ホワイトカラー犯罪/ 防犯
●7.政治
政治参加/ 政治的無関心/ 政治的社会化/ 政治的会話(議論)/ 世論/ イデオロギー/ 政治的分極化/ 民主主義/ 正義(分配的正義)/ 世代/ 格差(不平等)と投票/ 環境問題
●8.健康と支援
看護/ 医療/ 新興感染症/ 障害/ ソーシャルワーク/ 子どもと子育て/ 単身高齢者(看取りを含む)/ 単身高齢者(QOLを含む)/ 生きづらさの支援
●9.学校
学習意欲/ 受験/ 自分さがし/ 外国人児童生徒/ インクルーシブ教育/ 性教育/ 部活動/ PTA/ 子どもの貧困問題/ 不登校/ いじめ
●10.産業
職務ストレス/ 組織開発/ 組織文化/ 組織の社会的責任/ 組織社会化/ チーム・マネジメント/ 組織パフォーマンス/ ワークモチベーション/ ワークライフバランス/ キャリア・ディベロップメント/ 人的資源管理/ 仕事における安全/ 不安全行為/ 事故防止
●11.消費者問題
詐欺・悪質商法/ 消費者保護/ マーケティング/ 消費者行動
■理論編
●12.集団・文化
「場」の理論/ マイクロ-マクロ過程/ 集団錯誤の批判/ 集団構造/ 集団効果性/ 集団規範/ 同調・服従/ リーダーシップ/ 集団意思決定/ 社会的アイデンティティ/ 協同と競争/ 集合現象/ 文化的価値次元(Hofstede指数)/ 文化的自己観/ 文化進化
●13.対人関係・対人行動
対人魅力/ 親密化過程/ 援助行動/ 社会的孤立・孤独/ 社会関係資本/ ソーシャル・サポート/ 攻撃性/ 社会的交換/ 社会的ネットワーク/ 排斥/ 愛着関係/ コミュニケーション/ 非認知能力/ ジェンダーロール
●14.態度・認知
道徳と責任/ 社会的動



