出版社内容情報
現代社会では、心と体の健康を守るために、科学的な知識と実践が不可欠である。
本書は、生活習慣病からメンタルヘルス、リプロダクティブヘルス、社会的課題までを包括的に扱い、「健康を多面的に理解するための基礎教養書」として構成している。
[第1章]「健康科学の基盤」では、健康づくり政策や予防医学、災害医療、食の安全、発達・老化など、人の一生を通じた健康支援の基本を学ぶ。
[第2章]「心身の機能と疾患」では、がん・循環器・免疫・感染症など主要疾患の仕組みを最新科学とともに解説。身体のシステムがいかに精緻に連携しているかを知ることができる。
[第3章]「健康科学と生命倫理」では、生命の定義、遺伝、死の概念、性差医療など、生命倫理に関わるテーマを多角的に考察。
[第4章]「健康科学と現代社会」では、ストレス、発達障害、睡眠、依存症など、現代人が直面する課題に焦点を当てる。
扱うテーマ全体を通じて、「健康を自分で選び取る力」を育むと同時に、人の生き方に寄り添う視点をることもできる一冊。
【目次】
■1章 健康科学の基盤
01 現代の健康のための政策:健康づくり、介護予防
02 生活習慣病と予防医学:NDC、成人病
03 疾患を早期に発見する:がん検診、過剰診断、過剰医療
04 健康を脅かす危機対応:健康危機管理、災害医療、環境
05 食の安全を守る:リスクコミュニケーション、食中毒
06 子どもから青年期の健康:発達、事故防止、虐待、成育サイクル
07 高齢期の健康:健康寿命、老化、フレイル 認知症
08 漢方医学の役割:未病、生薬、心身医学
■2章 心身の機能と疾患
09 がんはどこまでわかったか:がんの分子機構、がん遺伝子
10 がんとどう向き合うか:がんの治療戦略、集学的治療
11 循環器系のしくみと疾患:心臓の役割、心疾患、高血圧
12 脳の血管の疾患:脳卒中、ラクナ梗塞、rt-PA
13 脳と神経ネットワークの外科疾患:脳腫瘍、てんかん
14 栄養を取り入れるしくみ:消化吸収、腸内細菌叢、解毒
15 肝臓の働きと疾患:肝炎、アルコール性肝障害、脂肪肝
16 血液の働きと疾患:造血、貧血、白血病
17 身体を外界から守るしくみ:免疫機構、免疫不全、免疫寛容
18 免疫の疾患と治療への活用:自己免疫疾患、がんの免疫療法
19 アレルギー反応と疾患:喘息、アトピー、アナフィラキシー
20 感染症とは:病原体と感染経路、防止対策
21 感染症への対応:ワクチン、抗菌薬、薬剤耐性、消毒
22 外界を感知し身体を守る:感覚器・皮膚のしくみと疾患
23 身体を動かすしくみと疾患:運動器、身体活動の意味
24 糖尿病の病態と予防:血糖値、インスリン、糖尿病予備軍
■3章 健康科学と生命倫理
25 生命の特性:生物と無生物、生きていることの定義
26 遺伝情報と生体分子:DNA、タンパク質、ヒトゲノム
27 健康と遺伝情報:エピジェネティクス、オーダーメイド医療
28 細胞から個体へ:細胞間コミュニケーション、恒常性
29 発達と記憶のメカニズム:脳の可塑性、学習
30 心はどこにあるのか:脳と神経ネットワーク、意識
31 細胞の死・人間の死:テロメア、緩和医療、人生会議
32 二つの死の定義:脳死、心臓死、臓器移植
33 医療を選択する:外科治療とQOL、移植医療
34 リプロダクティブヘルス:生殖補助医療、DV、STD
35 性差と健康:性差医療、性差が関連する疾患
36 がんの男女差とその要因:罹患率、がんの原因
37 女性特有の疾患と対処:エストロゲン、月経困難症、PMS
38 男性特有の疾患と対処:テストステロン、前立腺、排尿
■4章 健康科学と現代社会
39 メタボリックシンドローム:内臓脂肪、



