出版社内容情報
歴史地理学(historical geography)は、空間を軸とする地理学と、時間を軸とする歴史学という対立関係を越えて、時間・空間を同格に併存させて取り扱う研究分野であり、近年では産業、生業、災害史などへも広がりを見せている。日本の歴史地理学における今の研究テーマ約200を解説し、歴史地理学を展望する。
【目次】
●1章:学史と方法論の系譜
地誌編纂/地域意識/江戸時代の歴史地理研究/吉田東伍/昭和戦後期の歴史地理学/景観変遷史法・景観史/環境考古学/景観復原の方法論――中世・近世・近代/日本の地帯構造と文化的差異/エスニック集団と歴史地理学/移民と植民/地政学と歴史地理学/東アジアと日本の風水/伝統的地域区分/行政区分の変遷
●2章:自然環境・気候・災害史
気候変動・気候環境・古気候/気候変動と人類史/古環境と歴史災害/風水害と減災・防災/平安京の火災――平安・鎌倉時代のデータから/津波災害/地震災害/歴史時代の気象災害/火山災害/自然災害の記憶と記録/河川の流路変遷と改修/平野の地形発達と人間の居住/マラリア-―近現代期の宮古島を中心に/「里湖」と「里海」の生態系/人類の空間的拡散と自然環境
●3章:生業と産業
生業と景観変化の関わり/農業と生業形態の変化/農業と農書/山林利用と植生の関わり/狩猟採集における地域的な差異/商業的農業/茶園経営/捕鯨/捕鯨/海鳥――アホウドリと太平洋進出/漁業/漁場利用/窯業/鉱山と金属産業/近代製鉄と炭鉱/伝統的な職の技術/民芸運動と産地の歴史地理/在来工業/織物/商業・金融/酒造業
●4章:食の歴史地理
近代の食文化の変化/野菜食/雑穀の利用/伝統食の地域差/棚田の形成/米の在来品種と品種改良/在来家畜と人類の食/海魚の漁と食/川魚の採取と食/柑橘類の食/保存食
●5章:都市と村落
古代の集落と都市/都市遺跡と衛星写真/都城と条里/条里地割と集村/中世都市の形成/中近世移行期の城下町建設/近世城下町の形成と変容/陣屋と陣屋町/近世宿場町/近世村落と景観/近世村落と相給支配/アイヌの集落/倭館/江戸の土地売買と抵当/中心地論からみた近代都市/近代小都市の形成と商業/首都東京の変遷/遊廓の成立と変遷/ヨーロッパでの近代都市の形成/北米での近代産業の発展/オーストラリアの都市の成立/ドイツにおける都市と農村/中国における都市と農村/台湾の都市空間の変容/朝鮮半島における都市と交通路
●6章:開発・資源・利用
農村開発過程/荘園と地形環境/古代の開発/中世村落の開発過程/中世から近代までの森林利用の変化/近世の新田開発・農業開発/近現代における日本の水田農業開発/油田開発と利用/山村と林業/海辺の利用/近代水道の発達/動力利用の変化と歴史地理/軍用地の転用/タウンシップの伝播と変容
●7章:交通・流通・情報
古代の道/中世の道と湊/近世の道/近世の海運と河川交通/鉄道網の形成/郵便/行商/定期市と在方市
●8章:宗教・文化
宗教と旅/聖なる地の認識--ヨーロッパ/聖なる地の認識ー-東アジア/聖なる地の認識--伊勢神宮の古代・中世・近世/儀礼の地域性/都市の中の祭礼――古代・中世,京都など/都市の中の祭礼――城下町,江戸/近代における祭礼・うた・踊り/山岳宗教と地域/山岳宗教と地域/墓地と祭



