出版社内容情報
5億年――これは、地球の生命を支える存在である植物が、その進化に費やしてきた時間である。本書は、植物がいかに進化してきたのか、その歴史をまとめたものである。
本書では植物史における大きな変化の一つ一つを、化石をもとにたどっていく。植物の祖先は水の中で生まれ、長い時間をかけて、陸という環境に適応する準備を果たすと、およそ5 億年前に上陸した。その後、幹を持ち、種を得て、花を咲かせた。いかにして誕生し、進化し、広がり、さまざまな景色を作り出してきたのか。
地球生命史を彩ってきた植物の物語をひもとこう。
【目次】
プロローグ 植物とは何か
光合成生物と系統
光合成生物の系統
陸上植物の5大グループ
陸上植物の構成割合
植物の生活環
Column
化石から植物の歴史を知るには
1章 水の中
酸素発生型光合成がもたらしたもの
大気組成が変わる
地球が氷に包まれた!
先カンブリア時代の「植物化石」
2章 上陸
海から淡水へ
上陸のタイミング
生活環の進化
Column
クックソニアとの出会い
3章 森の誕生
葉の進化
根の進化
石炭紀~ペルム紀の大森林
高酸素濃度の世界で何が起こったか?
シダの森の終焉と地球環境
中生代・新生代のシダ類
Column
日本でも見つかる古生代の木化石
4章 種の獲得
種の役割
種はどのようにしてできた?
種の発明は世界をどう変えた?
古生代の裸子植物
中生代の裸子植物
ベネチテス類の復元に成功!
現在も生きている裸子植物
Column
生きている化石「メタセコイア」
5章 花の誕生
ダーウィンを悩ませた謎
いつごろ現れた?
花化石からわかること
花化石をめぐる日本の研究
K/Pg 境界期の絶滅
日本の恐竜が見ていた植物
Column
食痕化石研究がもたらす新たな世界
新生代の植物進化
エピローグ 現在につなぐ
第四紀の植物変遷
日本列島の植物分布に影響した環境変化
第四紀の爪痕
人による利用はどこまでわかっている?
索 引