出版社内容情報
格子ボルツマン法(LBM)の専門書として好評を得てきた書籍の改訂版.本書は,LBMの研究をリードしてきた著者らによる解説書であり,LBMにあまり馴染みのない読者でも,しっかり理解できるよう基礎理論からその応用例まで紹介する.本書の前半では,LBMの基礎理論とともに,それを発展させたlattice kineticスキーム(LKS)も紹介し,後半では,移動境界流れに適用できるIB-LBMや,気液および液液二相流体に適用可能な二相系LBMについて解説する.なお,一部の数値計算例については,そのソースコードをサポートページより頒布しているので,読者自身で実装できるようになっている.
改訂版での大きな変更点としては,流体力学的方程式の導出法として,S展開での導出に加えてChapman?Enskog展開でも導出を行い,計算精度の評価についてより丁寧に解説を加えた.さらに,いくつかの数値計算例を新たに掲載している.
【目次】
はじめに
改訂に際して
第1章 格子ボルツマン法(LBM)
1.1 格子気体モデル
1.2 基礎方程式
1.3 衝突項の取り扱い
1.4 局所平衡分布関数
1.5 流体力学的方程式の導出
1.6 外力項を加えたLBM
1.7 非圧縮の局所平衡分布関数
1.8 熱移動を伴う流れ
1.9 音響場の方程式
1.10 LBMから派生した方法
1.11 境界条件
1.12 LBM の計算アルゴリズム
1.13 数値計算例
1.13.1 数値計算精度の確認
1.13.2 多孔質内流れ
1.13.3 レイリー・ベナール対流
第2章 lattice kineticスキーム
2.1 LKS
2.2 LWACM
2.3 改良LKS
2.4 体積粘性係数
2.5 境界条件
2.6 改良LKSの計算アルゴリズム
2.7 数値計算例
2.7.1 2次元正方形領域内の熱対流
2.7.2 テイラー・グリーン渦
2.7.3 二重せん断層
2.8 改良LKSとMRT-LBMの比較
第3章 埋め込み境界-格子ボルツマン法(IB-LBM)
3.1 LBMを用いた移動境界流れの計算方法
3.2 埋め込み境界法(IBM)の考え方
3.3 外力項を加えた LBM(フラクショナル・ステップ法)
3.4 埋め込み境界法(IBM)の定式化
3.5 移動物体に作用する力およびトルク
3.6 境界点の移動
3.7 IB-LBMの計算アルゴリズム
3.8 熱を考慮した埋め込み境界?格子ボルツマン法(熱 IB-LBM)
3.9 マルチブロック格子法
3.10 数値計算例
3.10.1 楕円柱の自由落下
3.10.2 高温流路中の低温円柱の自由落下
3.10.3 氷スラリー流の熱流動
3.10.4 蝶の前進飛翔
3.10.5 蝶の飛び立ち
3.10.6 トンボの急旋回飛翔
第4章 二相系格子ボルツマン法(二相系 LBM)
4.1 二相系LBMの分類
4.2 自由エネルギーモデル
4.3 LKS によるφの計算
4.4 物体表面における濡れ性(φ の境界条件)
4.5 等密度の二相系LBM
4.6 大きな密度比の圧力の計算方法
4.7 高密度比の二相系LBM
4.8 高密度比の二相系LBMの計算アルゴリズム
4.9 高密度比の二相系LBM(2004年の方法)
4.10 数値計算例
4.10.1 せん断流れ場中の液滴の変形・分裂
4.10.2
目次
第1章 格子ボルツマン法(LBM)(格子気体モデル;基礎方程式 ほか)
第2章 lattice kineticスキーム(LKS;LWACM ほか)
第3章 埋め込み境界―格子ボルツマン法(IB‐LBM)(LBMを用いた移動境界流れの計算方法;埋め込み境界法(IBM)の考え方 ほか)
第4章 二相系格子ボルツマン法(二相系LBM)(二相系LBMの分類;自由エネルギーモデル ほか)
付録
著者等紹介
稲室〓二[イナムロタカジ]
1979年3月京都大学 大学院工学研究科修士課程 航空工学専攻 修了。2020年4月京都大学名誉教授。専門分野:流体力学、数値流体力学(格子ボルツマン法)、界面ダイナミクス、羽ばたき飛翔、二相流
吉野正人[ヨシノマサト]
2000年3月京都大学 大学院工学研究科博士課程 化学工学専攻 修了。2014年4月信州大学 学術研究院工学系 教授。専門分野:流体力学、数値流体力学(格子ボルツマン法)、移動現象論、二相流
鈴木康祐[スズキコウスケ]
2014年3月京都大学 大学院工学研究科博士課程 航空宇宙工学専攻 修了。2019年4月信州大学 学術研究院工学系 准教授。専門分野:流体力学、数値流体力学(格子ボルツマン法)、移動境界流れ、羽ばたき飛翔(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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