出版社内容情報
好評を博した『シリーズ生命倫理学』が手に取りやすい装丁にて復活!
安楽死論の要である「個人の自由の尊重」と「安楽死合法化が社会にもたらす望ましくない影響」について考察。またキリスト教の視点から、関係性に重点を置いた安楽死に対する考察、ホスピス活動を仏教のあゆみと捉える視点からの論考など、安楽死・尊厳死をめぐる課題を総説的に示す。さらに、欧米・近隣国の安楽死・尊厳死や、日本の尊厳死容認運動と終末期の延命措置中止に関する法律案の紹介、安楽死は処罰されるべきかの議論を、安楽死事例判決を読み解きながら考察する。 また安楽死・尊厳死を考えるうえで大切な視点として、患者や患者を支える家族に対する適正な生命倫理、医療倫理を踏まえた対応を医療界に向けて提示する。日本生命倫理学会の問題状況を医療の現場から描くとともに、「救急医療における終末期医療に関する提言(ガイドライン)」を詳述して「人工延命治療の差控えと中止の過剰なまでの区別による弊害」から生じる机上の空論からの脱却を示唆。
【目次】
第1章 安楽死・尊厳死をめぐる生命倫理の問題状況
1 概念の整理
2 安楽死に関する生命倫理的課題
3 尊厳死に関する生命倫理的課題
第2章 哲学的観点からみた安楽死
1 安楽死問題と二極分化思考
2 killingとletting die
3 安楽死
4 合法化の禁止と患者の放置
5 安楽死の代替
3章 安楽死・尊厳死とキリスト教――その歴史と基本思想
1 16・17世紀におけるキリスト教と安楽死
2 特別手段と通常手段
3 20世紀のカトリック教会と安楽死
4 積極的安楽死の是非
4章 仏教からみた安楽死・尊厳死
1 仏教の死生観
2 ビハーラ運動
5章 我が国における尊厳死運動――日本尊厳死協会の立場から
1 我が国の尊厳死運動
2 脳死および臓器移植と尊厳死運動
3 安楽死と尊厳死
4 リビング・ウイルの改訂
5 尊厳死法制化運動
6 諸外国のリビング・ウイル
7 福祉施設での尊厳死
8 尊厳死に対する反対論
9 在宅医療と尊厳死
10 終末期医療のガイドライン
11 終末期の看取り
12 終末期医療の裁判による判定
第6章 日本における積極的安楽死
1 安楽死の分類と刑法上の問題点
2 非医療場面における安楽死
3 医療の場面における安楽死
4 積極的安楽死をめぐる学説の状況
第7章 日本における人工延命措置の差控え・中止
1 近年の日本における議論の郷校外観
2 司法の動向
3 人工延命措置の差控え・中止(尊厳死)をめぐる法理と倫理
4 尊厳死問題の法的・倫理的ルール化
第8章 医療現場からみた人工延命措置の差控え・中止
1 わが国における延命措置の中止などへの取り組み
2 「救命医療における終末期医療に関する提言(ガイドライン)」の概略
3 本ガイドラインに関するアンケート調査
4 医療現場からの考察
第9章 医師による自殺幇助(医師介助自殺)
1 アメリカにおける動向
2 スイスにおける動向
3 ドイツにおける動向
第10章 アメリカにおける尊厳死
1 尊厳死をめぐる議論の前史
2 延命拒否権
3 代行判断
4 事前指示
5 尊厳死の客観的側面をめぐる諸問題
第11章 欧州(イギリス・ドイツ・フランス)における安楽死・尊厳死
1 イギリス
2 ドイツ
3 フランス
第12章 オランダにおける安楽死・尊厳死
1 オランダにおける安楽死法制定までの判例の歴史
2 オランダにおける安楽死法制定
3 オランダにおける安楽死等審査法施行後の動向
内容説明
第5巻について。安楽死・尊厳死の問題は、生命倫理を語るうえで必ず議論の重要な対象となる。そこには、終末期における生命をめぐる、患者の自己決定権の限界、家族等近親者の判断の役割、意思決定能力のない患者の場合への対応等、終末期医療の極限の法的・倫理的問題点が凝縮されているともいえる。本巻は、国内外の動向を正確に見据えて、安楽死・尊厳死の問題点について多角的に考察した。
目次
安楽死・尊厳死をめぐる生命倫理の問題状況
哲学的観点から見た安楽死
安楽死・尊厳死とキリスト教―その歴史と基本思想
仏教から見た安楽死・尊厳死
わが国における尊厳死運動―日本尊厳死協会の立場から
日本における積極的安楽死
日本における人工延命措置の差控え・中止(尊厳死)
医療現場からみた人工延命措置の差控え・中止
医師による自殺幇助(医師介助自殺)
アメリカにおける尊厳死
欧州(イギリス・ドイツ・フランス)における安楽死・尊厳死
オランダにおける安楽死・尊厳死
延命治療の中止に関する韓国大法院判決について
中国における安楽死の動向
著者等紹介
甲斐克則[カイカツノリ]
早稲田大学大学院法務研究科教授(刑法・医事法・生命倫理)。1954年生。九州大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学、博士(法学)。日本医事法学会代表理事、日本刑法学会常務理事、日本生命倫理学会理事
谷田憲俊[タニダノリトシ]
北斗病院在宅医療科部長。1949年生。弘前大学医学部卒業、ロンドン大学衛生熱帯病学大学院DTM&H修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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