出版社内容情報
ボーヴォワールが『第二の性』で新しい概念の登場を予感させて以降、20世紀の哲学はジェンダー論の展開・受容に大きく舵を切った。だがなお、私たちの認識にはジェンダーをめぐる不正義があり、学問にも性差別が残っている。こうした問題は思想・実践の力によって少しずつ解決されてはいるものの、20世紀には表在していなかったLGBTQという観点によって、よりいっそう複雑化している。性の多様性に対して哲学は何を言えるのか。これは21世紀の重要な問いのひとつである。
内容説明
ボーヴォワールが『第二の性』で新しい概念の登場を予感させて以降、20世紀の哲学はジェンダー論の展開・受容に大きく舵を切った。だがなお、私たちの認識にはジェンダーをめぐる不正義があり、学問にも性差別が残っている。こうした問題は思想・実践の力によって少しずつ解決されてはいるものの、20世紀には表在していなかったLGBTQという観点によって、よりいっそう複雑化している。性の多様性に対して哲学は何を言えるのか。これは21世紀の重要な問いのひとつである。
目次
第1章 ジェンダーが問い直す哲学―「尊重しあう愛」は可能か(哲学とジェンダー;身体;愛)
第2章 ジェンダーをめぐる認識的不正義―マスメディアの企業風土と組織の証言的不正義(個人が犯す証言的不正義;組織が犯す証言的不正義 ほか)
第3章 性差をめぐる科学研究の落とし穴―統計学をいかに使いこなすか(能力に性差はあるか?算数・数学のテストを例に;統計学と心理学 ほか)
第4章 LGBTQの人々が「自分らしく生きる」ということ―性のポリティクスから多様性の哲学へ(不可視化された差別と生きづらさ;差別を助長しかねない?―LGBT法 ほか)
著者等紹介
神島裕子[カミシマユウコ]
立命館大学総合心理学部教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。研究テーマは、現代正義論とケイパビリティ・アプローチ
小手川正二郎[コテガワショウジロウ]
國學院大學文学部哲学科教授。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程修了。博士(哲学)。研究テーマは、フランス近現代哲学、現象学(とりわけジェンダー、人種、家族、責任)
佐藤邦政[サトウクニマサ]
茨城大学教育学部社会選修(倫理学)講師。日本大学大学院博士後期課程哲学専攻修了。博士(文学)。研究テーマは、認識的不正義、変容的経験論
〓松里江[タカマツリエ]
立命館大学総合心理学部准教授。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(人間科学)。研究テーマは、キャリアとジェンダー、ジェンダー格差、社会統計学
稲垣惠一[イナガキケイイチ]
静岡文化芸術大学文化政策学部非常勤講師。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。研究テーマは、ジェンダー/セクシュアリティの哲学、多様性共生論、生命倫理学、西洋近代哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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