出版社内容情報
群集とは、ある空間における個体群の集合をさす。群集生態学は、捕食や競争のような、群集の構造や成り立ちに影響する種間相互作用を研究する学問である。基礎生態学の一領域でありながら、保全生物学や復元生物学といった応用分野のベースとなる領域でもある。
本書は、群集生態学研究で評価の高い著者が、基礎的な考え方から、豊富なケーススタディの説明、未解決問題の今後の方向性までを学べるよう包括的にまとめられた教科書。
内容説明
本書は、世界各地の大学・大学院講義で使われている群集生態学の標準的な教科書である。群集生態学について効率的に包括的な知識を吸収することができるように設計されており、オンラインでモデルを実際に動かしてみることができる工夫もなされている。これから群集生態学の研究を始めたいと考えている学部生・大学院生・研究者にとって必携の一冊。
目次
Part 1 大局をとらえる:生物多様性のパターン・原因・結果(生物多様性のパターン;生物多様性と生態系機能)
Part 2 基本的事実:種間相互作用(個体群増殖と密度依存性;捕食者‐被食者相互作用の基本原理;捕食者の好みと被食者の応答 ほか)
Part 3 ピースをつなぎ合わせる:食物網・生態ネットワーク・群集集合(種間相互作用と生態ネットワーク;食物連鎖と食物網:制御因子とカスケード効果;群集集合と種形質)
Part 4 空間の生態学:メタ個体群とメタ群集(パッチ状環境・メタ個体群・放浪種;メタ群集)
Part 5 変動する環境のなかで:生態学と進化(変動環境における種;進化群集生態学;まとめと今後の展望)
著者等紹介
門脇浩明[カドワキコウメイ]
2005年 京都大学農学部資源生物科学科卒業。現在:京都大学白眉センター 特定准教授。専門:群集生態学
山道真人[ヤマミチマサト]
2007年 東京大学農学部フィールド科学専修卒業。現在:オーストラリア・クイーンズランド大学理学部生物科学科上級講師。専門:理論生物学・生態学・進化生物学
内海俊介[ウツミシュンスケ]
2001年 京都大学理学部生物科学専攻卒業。現在:北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 准教授。専門:進化生態学・群集生態学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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