出版社内容情報
医学は私たちの健康と生命を守る営為であり、人間社会のどの地域・時代にも存在する。医学の歴史は経験知と哲学をもとにした古代の伝統医学から始まり、次第に科学・技術と結びつきを強め、高度な現代医学へと発展してきた。医学史という学問分野は、先人たちの事績や過去の医学知識にとどまらず、医療と社会・文化との関わり、薬学・生物学など周辺分野との関わりといった多様な背景や時空間までもが視野に入っている。本書は日本の医史学研究者が集結し、西洋、インド、アラビア、東アジア、日本など様々な地域と時代の医学史を、興味深いテーマを見開きで次々読める形で収録した。人間と医学と社会のかかわりを追う人への入り口となる一冊。
目次
第1部 世界の医学(1):古代から近世まで(仏典(仏教経典)の中の医学
アーユルヴェーダ(インド伝統医学) ほか)
第2部 世界の医学(2):近現代(有機化学から生化学へ;ビタミンの発見 ほか)
第3部 日本の医学(1):古代から近世まで(神話の時代;先史から有史へ ほか)
第4部 日本の医学(2):近現代(幕末明治期を中心として;大正・昭和戦前 ほか)
第5部 社会の中の医学(学際領域としての社会医学;医療の社会史(欧米) ほか)