出版社内容情報
鬼才・國松淳和医師が目論む「日記ノベル」。「あたし」という女性医師が綴る11の患者エピソード。
内容説明
「あたし…」が綴る11の患者エピソード。再診、再診、再診という、時の流れ。病気がない、治らない、納得しない、患者たち。医師という職能の果てにある明察とd´ecadence。語りつくせば、その「現実」は「寓話」となる。
目次
79歳「増えない体重」
30歳「タトゥーだらけの臆病者」
51歳「この手の話」
68歳「あしが動かないということ」
21歳「お腹が痛いんだよね」
82歳「最後まで事情を知らずに治った」
81歳「あしはどうなった」
70歳「もやもやした二十年間」
21歳「何と折り合うのか」
40歳「目が醒めても醒めなくてもつらい」
27歳「分類を受けつけない人」
著者等紹介
國松淳和[クニマツジュンワ]
1977年生まれ。医療法人社団永生会南多摩病院総合内科・膠原病内科。リウマチ専門医、総合内科専門医の資格を持ち、不明熱や不明疾患などの「原因のわからない病気の診断と治療」を専門としている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kitten
11
図書館本。国松先生が、なぜか女性医師になりすまして診療日記を書くというよくわからん設定。とりあえず、セルトラリン(ジェイゾロフト)が万能すぎ。本当にこんなノリで薬出してるのか。患者さんとのやり取りも、まるで野球のピッチングのような駆け引きがあって面白い。最終話は見事に騙された。 2022/05/04
メチコ
8
★4 なぜ前回と同じ薬で継続なのか? なぜ今回は薬が変わったのか? 時に年単位にもおよぶ診察を通して、薬局にいるだけでは見えない医師-患者間のやり取りがつぶさに見て取れる。 この本を読むと経過観察の重要性なんていうのも理解できるんじゃないかな。 フィクションとはいえ治療や診療というものを点ではなく、ここまでしっかりとした線でとらえた書籍って案外めずらしい気がしていて、とても興味深く読むことができた。 おもしろかった。2022/04/06
まるよし
7
外来でもやもや、朧げながら感じていたことがこれほどまでクリアに言語化されていると気持ちが良い。患者さんとの距離感というか共感の閾値というか一言で表現しにくいものが、空気感を持って伝わってくる。あたかも外来の追体験ができるような(そんな甘いもんじゃないですよね、すみません)そんな、感覚になる。良書。外来で困った体験してから読むのが良いですね。研修医にはまだ早い。2024/02/03
☆kubo
7
Twitterでおすすめされてたので読んでみた。医師向けとの事でしたが医師じゃなくても面白かった。こういう"病気かどうかわからないけど困っている"人って多いし、このスパッと治らない感じがとてもリアル。シリーズ化して欲しい。 *11章はちょっとした引っ掛けがあります。やられました。2021/04/03
Iwata Kentaro
5
献本御礼。これも頂いてから読むまで時間かかりすぎ。そんな本がたくさんある。最後のケースはよく遭遇する私。2022/12/28
-
- 和書
- 社会福祉論