内容説明
4次元の世界というと、多くの人びとの心には、前後左右上下の3方向に動くことのできる3次元の空間に時間の流れや精神の広がりが加わった、かたちのはっきりしない世界が浮かぶようである。ところがその世界を、かたちにあふれた4方向に広がる空間になっていると考えることもできるというと、だれでも、それなら絶対にそのかたちを見たり触ったりしてみたい、と思うに違いない。残念ながら3次元人にはそれは絶対にできない。できるのは4次元のかたちの影を見たり触ったりするだけである。本百科では、その影について、文字や数字でなく図や模型を使って見たり触ったりしてみようとする。じつはそのような努力は、人類の文化史が始まったころからあった。それでまず「歴史篇」でそのような過去を振り返ったあと、「図形篇」で現在知られている4次元図形の概要を総覧し、そのあと「風物篇」で近い未来に見られるかも知れない4次元の風景を空想してみる。
目次
1 歴史篇(18世紀以前;19世紀 ほか)
2 図形篇(4次元空間;4次元図形 ほか)
3 風物篇(4次元風物の誕生;4次元の人工界 ほか)
付録 4次元設計室(正投影;基礎的な図形 ほか)
著者等紹介
宮崎興二[ミヤザキコウジ]
京都大学名誉教授、京都工芸繊維大学工芸学部建築工芸学科卒。工学博士(大阪大学)。関西大学工学部建築学科助手、神戸大学教養部図学教室助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授などをへて現在にいたる。専門は建築工芸学・図形科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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