出版社内容情報
国際規格に則り、製品やサービスのライフサイクルにおける環境影響を評価する方法LIMEの最新版「LIME3」を解説。本書では、ISO140040(2006)とISO14044(2006)の方法に則り、製品やサービスのライフサイクルでの環境への排出物量や資源の消費量を計算した後で(ライフサイクルインベントリ分析;LCI)、それらの環境への影響を評価する方法(ライフサイクル影響評価;LCIA)として、著者らが開発してきた方法であるLIME(Life Cycle Impact Assessment Method based on Endpoint)の最新版(LIME3)を解説。 LIME1、LIME2ではいずれも日本の国内での評価に使われることを前提としていたが、LIME3では、この方法を世界の各国に広げ、各国の人々の価値観を表現。
第1部:LIME3の概要
第1章 ライフサイクル影響評価
1.1ライフサイクル影響評価の意義
[コラム 国際規格におけるLCIA の手順]
1.2 LCIAの歴史
[コラム LIME1]
[コラム LIME2]
第2章 LIME3の概要と特徴
2.1 背景
2.2 LIME3開発の目的
2.3 LIME3の枠組み
[コラム LIME2 とLIME3 の違い]
[コラム LIME とISO14044(2006)との関係]
2.4 各国の環境条件を反映した被害係数の開発
[コラム 被害指標]
2.5 世界を対象とした年間環境影響総量(規格値)の算定
2.6 国や地域の環境意識の違いを反映した重みづけ係数の開発
2.7 ほかの評価手法との比較
第2部:被害評価手法
第1章 気候変動
1.1 環境影響の因果関係とエンドポイント
1.2 既存研究の概要
1.3 評価の方針
1.4 評価手法と結果
[コラム 気候モデルの分類とMAGICCモデル]
[コラム 温室効果ガスの排出シナリオ]
[コラム 気温上昇に対する生息地減少率の導出方法]
[コラム 累積的な土地改変面積率の違いに応じた補正倍率の導出方法]
[コラム GHGの違いによる被害係数の比較]
第2章 大気汚染
2.1 環境影響の因果関係とエンドポイント
2.2 既存研究の概要
2.3 評価の方針
2.4 評価手法と結果
[コラム HTAPプロジェクト]
[コラム 地球システムモデル]
[コラム 2000年の大気汚染物質の排出量データ]
2.5 まとめ
第3章 光化学オキシダント
3.1 環境影響の因果関係とエンドポイント
3.2 既存研究の概要
3.3 評価の方針
3.4 評価手法と結果
3.5 PM2.5の健康被害係数との相違点
3.6 まとめ
第4章 水消費
4.1 環境影響の因果関係とエンドポイント
[コラム 水資源の利用可能性に影響を与える様々な要因の取扱い]
4.2 既存研究の概要
4.3 評価の方針
4.4 評価手法と結果
4.5 まとめ
第5章 土地利用
5.1 環境影響の因果関係とエンドポイント
5.2 既存研究の概要
5.3 評価の方針
5.4 評価手法と結果
[コラム 地域性を考慮したLCIAのために:土地利用の位置に応じたダメージ関数]
[コラム HaberlらによるHANPPの研究]
[コラム Erbらによる全球の土地利用データセット]
5.5 まとめ
第6章 鉱物・化石資源消費
6.1 環境影響の因果関係とエンドポイント
6.2 既存研究の概要
[コラム 欧州における影響評価指標のレビュー状況]
[コラム 弱い持続可能性と強い持続可能性]
6.3 評価の方針
6.4 評価手法と結果
6.5 まとめ
第7章 森林資源消費
7.1 環境影響の因果関係とエンドポイント
7.2 既存研究の概要
7.3 評価の方針
7.4 評価手法と結果
7.5 まとめ
第3部 世界における年間環境影響総量(規格値)の算定
第1章 既存研究の現状と評価の方針
1.1 既存研究の現状
1.2 評価の方針
第2章 研究方法
2.1 計算手順
2.2 評価範囲
2.3 年間環境負荷量
第3章 結果
3.1 年間被害量と影響領域の内訳
3.2 影響発生地域の内訳
第4章 議論
4.1 ほかの研究事例との比較
4.2 限界,課題
第5章 まとめ
第4部 統合化
第1章 評価目的
第2章 評価方法
2.1 コンジョイント分析の概要
2.2 データ収集の手順
2.3 調査票の詳細
[コラム 回答結果の解析方法]
第3章 結果
3.1 無次元の重みづけ係数(WF1)算定結果
3.2 各国の重みづけ係数の傾向
3.3 各国,地域の環境意識の個人差
3.4 貨幣換算された重みづけ係数(WF2)算定結果
第4章 議論
4.1 LIME2との比較
4.2 Ecoindicator’99との比較
4.3 貨幣換算された重みづけ係数(WF2)の利用
第5章 まとめ
第5部 まとめと今後の課題
伊坪 徳宏[イツボノリヒロ]
著・文・その他/編集
稲葉 敦[イナバアツシ]
著・文・その他/編集
内容説明
国際規格に則り、製品やサービスのライフサイクルにおける環境影響を評価する方法、LIME(Life cycle Impact assessment Method based on Endpoint modeling)の最新版(LIME3)を解説。
目次
第1部 LIME3の概要(ライフサイクル影響評価;LIME3の概要と特徴)
第2部 被害評価手法(気候変動;大気汚染(PM2.5)
光化学オキシダント
水消費
土地利用
鉱物・化石資源消費
森林資源消費)
第3部 正規化(既存研究の現状と評価の方針;研究方法;結果;議論;まとめ)
第4部 統合化(評価目的;評価方法;結果;議論;まとめ)
著者等紹介
伊坪徳宏[イツボノリヒロ]
東京都市大学環境学部教授、大学院環境情報学研究科長、東京大学生産技術研究所客員教授。1998年東京大学大学院工学系研究科材料学専攻修了、博士(工学)。1998年社団法人産業協会LCA開発推進部研究員、2001年独立行政法人産業技術総合研究所LCA開発推進部研究員、2003年同所ライフサイクルアセスメント研究センターLCA手法研究チーム長、2005年武蔵工業大学(現・東京都市大学)環境情報学部准教授、2011年同校総合研究所環境影響評価手法研究センター長、2013年より現職
稲葉敦[イナバアツシ]
工学院大学先進工学部教授。1981年東京大学大学院工学系化学工学専攻博士課程修了、工学博士。1981年公害資源研究所(現・産業技術総合研究所)入所、1984年米国商務省標準局火災研究所客員研究員、1990年オーストリア国際応用システム研究所客員研究員、1999年資源環境技術総合研究所(現・産業技術総合研究所)企画室長、2001年産業技術総合研究所ライフサイクルアセスメント研究センター長、2005年東京大学人工物工学研究センター教授、2009年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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