出版社内容情報
ルネサンス時代に描かれたユニークで著名な多面体を周辺の歴史的な流れとともに解説。数学者以外にもデザイン発想のヒントがある。古代ギリシア・ローマ時代(=現在のヨーロッパの文化基盤)の文化復興のため14世紀にイタリアから始まったルネサンスはやがてドイツ、フランスさらに西欧各国に広まったが、この時代に発明された印刷術によって様々な独創的な多面体や透視図(=多面体を立体的に見せる表現手法)がイタリア、ドイツ、フランスの科学者や芸術家によって数多く描かれた。
本書はこの時代に描かれたユニークで著名な多面体のすべてをそれぞれの周辺の歴史的な流れとともに解説したものである。著名な多面体を網羅した類書はないため、数学者のみならず、美術・インテリアデザイン・建築分野の関係者にとってもデザイン発想のヒントを与えてくれる。科学から芸術までのあらゆる分野の多面体を収録し、ダ・ヴィンチからケプラーまで著名人の作品も網羅。歴史的な流れにも触れたユニークな解説がなされ、デザイン発想のヒントにもなる図版満載。専門用語や数式を使わないのでどなたでも読むことができる一冊。
幻想の幾何学
プロローグ
1.驚くべき発想の古代における源泉
ピタゴラスとプラトン、ならびにその後継者たち
ビザンチン文化とイスラム文化における古代ギリシャの知恵
?プラトン主義?
2.西方ラテン世界のルネサンス
知の翻訳と伝達
プラトンの立体の図示
新しい視覚:ルネサンスにおける幾何学,光学,そして透視図
フィレンチェにおける透視図
?2次元平面上の3次元:透視図の作図方法と作図道具?
3.北方ルネサンスの幾何学と透視図法
ラートドルトによるユークリッド『原論』
デューラー:画家,人文・人道主義者,そして幾何学者
近世初期の博学者たちと透視図ならびに幾何学
ケプラー:天体の数学者
?ルネサンス期の印刷と出版?
4.16世紀のドイツにおける幾何学
デューラー以後の幾何学手引き書
普及者たち:ロドラー,ヒルシュフォーゲル,そしてラウテンザック
実作者たち:ヴェンツェル・ヤムニッツァー,ヨハネス・レンカー,ローレンツ・シュトーア,そしてある無名作家
後継者たち:プフィンツィンクとハルト
?ニュルンベルク:近世初期の産業と文化の中心地?
5.関連分野の流行と衰退
イタリアにおける透視図法の幾何学的研究
透視図とバロック:幻想の幾何学の終焉
幾何学と偉大な知性:レオナルド,デューラー,ケプラー
ヴェンツェル・ヤムニッツァー
ローレンツ・シュトーア
ドイツのその他の幾何学的透視図作家
イタリアとフランスにおける幾何学的透視図作家
付録1 イタリアにおける象眼細工(インタルジア)
付録2 ドイツにおける象眼細工(インタルジア)
付録3 マゾッキオ
付録4 象徴的球体
ルネサンス時代の幾何学的透視図法研究書ならびに関連出版物
参考文献
謝辞
訳者による補遺:ドイツ《構成幾何学》の起原
訳者あとがき
事項索引/人名索引
デイヴィッド ウェイド[デイヴィッド ウェイド]
原著
宮崎 興二[ミヤザキ コウジ]
編集/翻訳
内容説明
ルネサンス時代の絢爛豪華な手書き多面体の図集。ダ・ヴィンチ、デューラー、ケプラーが大活躍。隠れた有名人ヴェンツェル・ヤムニッツァー登場。昔の天才が夢見た未来のかたちや建築の集大成。科学者と芸術家のための新しい歴史書。未来の造形のためのヒント満載。
目次
幻想の幾何学(1.驚くべき発想の古代における源泉;2.西方ラテン世界のルネサンス;3.北方ルネサンスの幾何学と透視図法;4.16世紀のドイツにおける幾何学;5.関連分野の流行と衰退)
幾何学と偉大な知性:レオナルド、デューラー、ケプラー
ヴェンツェル・ヤムニッツァー
ローレンツ・シュトーア
ドイツのその他の幾何学的透視図作家
イタリアとフランスにおける幾何学的透視図作家
付録
著者等紹介
ウェイド,デヴィッド[ウェイド,デヴィッド] [Wade,David]
1941年生まれ。幾何形態学者、彫刻家。イギリスのウェールズ西方にある田園地方で、幾何学に関する啓蒙書の執筆と幾何学的彫刻の制作を行っている
宮崎興二[ミヤザキコウジ]
京都大学名誉教授、大阪大学博士(工学)。専門分野:幾何形態学、建築工芸学
奈尾信英[ナオノブヒデ]
東京大学他講師、東京大学博士(工学)、専門分野:図形科学、建築空間論
日野雅之[ヒノマサユキ]
数理パズル研究家、東京工業大学博士(理学)、専門分野:原子核構造論、応用数学
山下俊介[ヤマシタシュンスケ]
北海道大学総合博物館助教、京都大学修士(文学)、専門分野:博物館学、映像資料学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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