内容説明
有史以来、人の死因の第1位は感染症であった。医学の進歩だけでなく、人々の中の差別意識、不安感を減らし、貧困から脱却し、公衆衛生行政を効率化していかなければ、感染症被害を抑えることは難しい。しかし私たちは歴史からよい方法を学ぶことができる。よりよく生きるために、「人はなんの原因で死ぬのか」本書とともに考えてほしい。
目次
第1章 「2014年夏」
第2章 「HIV/AIDS」―チンパンジーから入った20世紀の病
第3章 「ハンセン病」―苦難の歴史を背負って
第4章 「狂犬病」―パスツールがワクチン開発
第5章 「マラリア」―ツタンカーメンも感染、パナマ運河開通の遅れ
第6章 「梅毒」―コロンブスの土産、ペニシリンの恩恵
第7章 「コレラ」―激しい脱水症状
第8章 「エボラウイルス病」―コウモリ由来の病?
第9章 「SARSとMERS」―コロナウイルスによる重症呼吸器疾患
第10章 「常に備えを」―進歩する医学、しかし感染症は絶えない
あとがきにかえて
著者等紹介
加藤茂孝[カトウシゲタカ]
1942年生まれ、三重県出身。東京大学理学部卒業、理学博士。国立感染症研究所室長、米国疾病対策センター(CDC)客員研究員、理化学研究所チームリーダーを歴任。専門はウイルス学、特に風疹ウイルス、麻疹・風疹ワクチン。妊娠中の胎児の風疹感染を風疹ウイルス遺伝子で検査する方法を開発(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
香菜子(かなこ・Kanako)
31
続・人類と感染症の歴史 新たな恐怖に備える。加藤茂孝先生の著書。 人類の歴史では人間の死因の第一位は感染症。感染症で亡くなり、感染症で差別され虐待され、感染症で精神的にも肉体的にも傷ついてきた人類の悲しい歴史。現代社会を生きている私たちが感染症への恐怖を感じるはそのせいなのかも。2020/09/26
nishioda
5
人類史上のいくつかの感染症を取り上げて概要を紹介してくれているが、素人が読んでもわかりやすいし、今回のコロナいウイルスも予期された範囲でのことなんだと思える内容。様々なウイルスがコウモリ由来であるとか、航空機の発達で伝播はどうなるのかなど、示唆に富んでいる。2020/08/22
あとぼう 02
0
紙本2020/04/18