出版社内容情報
あらゆる現象に関連して重要でありながら非常にわかりにくい概念を、様々な視点で具体的現象を捉えることで物理的直観的に理解する。
杉本 大一郎[スギモト ダイイチロウ]
パリティ編集委員会[パリティヘンシュウイインカイ]
内容説明
エントロピーはわかりにくい。重要な概念なのに、わかったつもりでいざ使おうとすると、つまずいてしまう…。そんなときは、具体的なものに目を向けてみましょう。生命、地球、宇宙、情報、日常生活のさまざまな場面に顔を出すエントロピーを、いろいろな角度から眺めてみることで、その全体像が浮かび上がってきます。そして、自然現象をさらに深く理解することができます。
目次
いまさらエントロピー?
二次元を一次元的に
エントロピーは生み出される
情報・統計・熱力学
粒子一個あたりという見かた
自由エネルギーかエントロピーか
光とエントロピー
時間スケールでのアプローチ
秩序とは何か
非平衡をつくる
宇宙膨張とエントロピー
地球とエントロピー
著者等紹介
杉本大一郎[スギモトダイイチロウ]
東京大学名誉教授。放送大学名誉教授。理学博士。昭和34年京都大学理学部卒業。昭和39年同大学大学院理学研究科原子核理学専攻修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まじぇすた
2
100ページ程度の本だが内容は濃く、高圧的な文章表現を除けば良い内容。熱力学と統計力学の知識が必要。前半は導出もなく数式がどんどん出てきて辛いが、物理的意味付けの説明が丁寧。非平衡系を扱うために準静的過程を見直すのが良い。そして後半になると数式はほとんど出なくなる替わりに本格的に物理学的思考を伝授するような内容で、大局的な観点で物事の本質にどんどん迫る思考法が面白い。エネルギー視点とは別にエントロピー視点でも捉えるというのは勉強になる。8章の「時間スケールでのアプローチ」が一番面白かった。 2020/09/10
inaryoXD11
0
エントロピーについてというより、熱平衡状態での熱力学、統計力学、固体表面とのガスの化学反応について何かわかりやすい本はないかとこの本に行きつきました。そんなきっかけでしたが、宇宙や地球、生命について話が広がり、非常に面白かった。理解が追い付いていないところがあるが、それはエントロピーへの理解が中途半端だからでしょう。他の本を読むより、もう一度この本を読んだ方がいいですね。2023/04/26
竜玄葉潤
0
表題に引かれて購入も撃沈。初歩本と思ったが、マニア本だった。熱力学から再学習しよう。2018/01/24