内容説明
2005年、KaneとMeleにより理論的に提唱されたトポロジカル絶縁体は、理論と実験の両面から広く注目され、爆発的な発展を遂げている。本書の目的はトポロジカル絶縁体およびトポロジカル超伝導体の理論について解説し、読者を物性物理学の最先端へ連れていくことである。量子力学とトポロジーに関する初等的な説明からはじまり、トポロジカル絶縁体・超伝導体を導入し、その理論の基礎を固める。そして、Weyl半金属や、トポロジカル電磁応答、トポロジカル超伝導体のMajoranaモードなどの第一線の物性物理学の研究を丁寧に解説する。
目次
序論
量子力学に現れるトポロジー
量子Hall絶縁体
トポロジカル絶縁体
バルク‐境界対応とトポロジカル不変量
カイラル超伝導体・超流動体
トポロジカル超伝導体・超流動体
トポロジカル絶縁体・超伝導体の分類
トポロジカル絶縁体の有効場の理論
トポロジカル絶縁体表面の乱れの効果
トポロジカル絶縁体の磁性とWeyl半金属
カイラル量子異常と電磁応答
トポロジカル超伝導体の熱応答
Diracの電子論
線形応答理論
トポロジー論概説
著者等紹介
野村健太郎[ノムラケンタロウ]
東北大学金属材料研究所准教授、博士(学術)。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、東北大学大学院理学研究科、理化学研究所を経て現職。専門分野:物性理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てぃゅむ
0
トポロジカル数やトポロジカル絶縁体・半金属の電磁応答など,数式がフォローしやすくて読みやすかった.特に半金属のトポロジカルな性質を説明してくれる日本語のテキストは他には見つからなかったので,めちゃくちゃ重宝した.トポロジカル超伝導に関しては,クラス分類の説明は分かりやすくてありがたかった.ただ,演算子の定義が自分の方法と異なっていたのでちょっと手間取った感.最後の方は流し読み. 当然内容は難しく,一部天下り的に思える説明もあったが,比較的読みやすかったかと. (そもそもこの分野,学部生にはちょいキツ感)
こずえ
0
トポロジカル絶縁体は内部が絶縁体なのに外部は電気を通す物質で、理論物理の最近のテーマである。これについて数式を丁寧に書いて説明してあり、しかも邦書という点でアド。 ただ学部3年生以上でないとレベル的にキツいかなという感じ。電気系や物理系の学生はぜひよもう2018/02/08
-
- 電子書籍
- PriPriパレット 2023-202…