内容説明
医薬品の作用効果は、ある環境下での物質の化学的状態に依存し、細胞膜やレセプターなどとの反応性に大きく影響する。また、医薬品をどのように溶解または沈殿させるか、あるいは薬物相互作用による配合変化がどのように起こるのかを考えるとき、化学平衡を基本的に理解している必要がある。本書では、対象とする化学平衡について、どのように式を立て、計算を展開し、数値を求めるかに重きをおいて解説。計算の考え方のポイントを理解できるように工夫している。また、身体の平衡バランス(ホメオスタシス)における酸塩基平衡をはじめとして、薬学における応用のポイントを紹介している。本書を通じて化学平衡を繰り返し学ぶことにより、薬学において重要な生物反応や生化学反応を化学平衡論で考察できるようになることを願う。
目次
序章 化学平衡の基礎
1章 酸塩基平衡(電離平衡;化学平衡に影響する因子 ほか)
2章 沈殿平衡(溶解と沈殿;溶解度積 ほか)
3章 酸化還元平衡(酸化還元反応の基礎;酸化還元反応と酸化還元電位 ほか)
4章 錯体平衡(錯体とは;錯体平衡 ほか)
著者等紹介
荒川秀俊[アラカワヒデトシ]
昭和大学薬学部物性解析薬学講座臨床分析化学部門教授。1979年昭和大学大学院薬学研究科後期博士課程修了、薬学博士。昭和大学薬学部助手。1983年米国ペンシルベニア大学医学部細菌学留学。1989年昭和大学講師。1996年昭和大学助教授。2005年より現職。専門:臨床分析化学。研究分野:生体成分の高感度分析法の開発(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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