内容説明
本書は鏡映で生成される有限鏡映群を幾何学的側面から初等的に扱った入門書である。鏡映群とルート系の理論は特にリー代数への応用があり様々な数学理論の核となっているが、リー代数やルート系に関する日本語の文献は多くても鏡映群を詳しく論じたものはきわめて少ない。本書は「鏡映群」と「ルート系」をキーワードに鏡が引き起こす(あるいは鏡像、鏡映の)対称性を論じ、その範囲はルート系、超平面配置、多面体論、コクセター群など多くの分野にわたる。本書では特に閉鏡系の役割を強調した。これは、主な対象を直截的に定義できたり、正多面体などの身近な対象を扱えるため視覚的な興味を持てたり、幾何学的直観を援用した理解を進められるためである。本書は学部3~4年生でも読めるように慎重にデザインされている。必要な予備知識はそれほど多くはなく、鏡映群の理論にすんなりと入ることができるだろう。
目次
第1部 幾何学的背景
第2部 鏡、鏡映、ルート
第3部 コクセター複体
第4部 分類
第5部 3次元鏡映群
第6部 付録
著者等紹介
ボロビック,アレクサンドル[ボロビック,アレクサンドル] [Borovik,Alexandre V.]
マンチェスター大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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