内容説明
テレビ番組の中でリアルに動き回る恐竜。まるで見てきたかのようなあの姿は、いったいどうやって復元されているのでしょう?そこには、古生物学者たちの努力と、最新技術の活用によって得られた様々な発見があります。恐竜は素早く動けたのか?知能はいかほどか?植物食恐竜はどのように植物を食べるのか?肉食恐竜の狩りのしかたは?古生物学者は、化石の形や大きさ、残っている傷などから、筋肉のつき方や姿勢、当時の環境を復元することで、これらの謎を解き明かしているのです。未知の巨大生物「恐竜」の発見から200年弱。限られた証拠をもとに、研究者たちがどのようにして恐竜の姿を復元してきたかをたどります。
目次
1 恐竜の概説
2 恐竜ルネサンス
3 イグアノドンの新視点
4 恐竜の系譜を解明する
5 恐竜と温血
6 もし…鳥が恐竜だとしたら?
7 恐竜の研究:観察と演繹
8 過去についての研究の未来
著者等紹介
ノーマン,デイビッド[ノーマン,デイビッド] [Norman,David]
セジウィック博物館館長。博士(Ph.D.)専門は古脊椎動物学。恐竜研究の第一人者で特にイグアノドン類に詳しい
冨田幸光[トミダユキミツ]
国立科学博物館地学研究部長。博士(Ph.D.)。専門は古脊椎動物学
大橋智之[オオハシトモユキ]
北九州市立自然史・歴史博物館自然史課学芸員。博士(理学)。専門は恐竜などの古脊椎動物学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅烏
1
恐竜研究の歴史をその発端から現在まで辿って行く本。研究の実例を多く挙げているので大変にわかりやすい。しかも新書サイズなので長くない。これは大変な良書。2014/08/25
5〇5
1
本書で、恐竜は「大きく、恐ろしく、そしてすでに死んでいる」ため人気なのだとあります。誰も生きている姿を見ることはかなわない知的好奇心をくすぐる存在であることは間違いありませんね。本書では、恐竜の姿を追い求め続けた研究者たちの努力の道のりと最近の研究事例を概説します。恐竜は謎に満ちた存在であり、その全容解明は不可能かもしれません。でも、新たな発見や新しい知見により、新たなワクワクをもたらしてくれることは確かです。これからも最新の研究成果を楽しみにしています。 2014/08/03
前島マリエ好き
0
ギデオン・マンテルが妻を失う辛口の話も載っている。恐竜が恒温か変温かは簡単に結論付けるのは間違いと伝える。2016/01/09
ニョンブーチョッパー
0
★★★★☆ 太古の生物のことを知るためには、過去の地球の環境から、現在生きている生物の体の仕組みまで、さまざまなことが俎上に載り、本当に興味深い。2015/03/07
Y
0
限られた証拠をもとにどのような研究アプローチで恐竜の謎が解き明かされてきたかが語られている。コンパクトに読みやすくまとめられており、恐竜研究がどういったものなのかを概観するのによい本だと思う。2015/02/18