出版社内容情報
たった1個の細胞「受精卵」から、これほど精巧な生物の体がどのようにできるのか。生物の形づくりのメカニズムをわかりやすく解説。
内容説明
私たちの体は約60兆個の細胞でできています。この60兆個の細胞は、もともとは受精卵という1個の細胞で、それが分裂を繰り返してできたものです。生物の体は、どの部分をとってみても、形と機能が見事に調和しています。たった1個の細胞からどのようにして、これほど精功な生物になるのでしょうか。その謎を解く学問が、発生生物学です。本書では、生物に共通する発生のメカニズムについて、基本となる考え方を解説します。
目次
1 細胞
2 脊椎動物
3 無脊椎動物と植物
4 形態形成
5 生殖細胞と性
6 細胞分化と幹細胞
7 器官
8 神経系
9 増殖、がん、老化
10 再生
11 進化
著者等紹介
ウォルパート,ルイス[ウォルパート,ルイス] [Wolpert,Lewis]
ロンドン大学名誉教授。発生生物学の基礎を築いた第一人者であり、同分野のスタンダードテキストなどを執筆している
大内淑代[オオウチヒデヨ]
岡山大学大学院・教授。博士(医学)。専門は細胞組織学、発生学
野地澄晴[ノジスミハレ]
徳島大学大学院・教授。理学博士。専門は発生工学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiroshi
7
生物の発生のメカニズムの重要な概念を含め、基本を判り易く解説していると訳者は前書きで言っているが、詳細な説明がなく淡々と解説しているのである程度の知識がないと難しい。iPS細胞の山中博士がマウス(ノックアウト用)の世話で鬱になったとか、山中博士と同時受賞したジョン・ガードンのアフリカツメガエルを研究対象にした理由だけ妙に詳しい。序章、ヒトは1個の細胞である受精卵から約60兆個からなる成人になる。それが発生。受精して卵割が始まり、原腸形成、神経管形成と胚が成長する。初期の段階では細胞の運命は決まっていない。2022/02/13
mitsu
2
オンラインで関係分野の学習している関係で、こちらを読んでみました。専門ではないので、この内容でも自分にはかなり難しく感じるところもありましたが、この分野に関連してiPS細胞のこととかの関連を理解できたのは良かったです。じっくり読むにしても専門用語の理解がちょっと自信ないです。2021/09/05
まるさ
2
iPS細胞でところどころ理解ができていなかったため追加で読んだ。「アクチビンの濃度が細胞分化に重要な役割を果たす」くらいの知識がなかったため勉強になった。2015/11/13
osakanachodai
2
学生の頃、生物の授業が一番好きでした。あの時の楽しさをまた味わいたくて読んでみた。すでに知っていることの説明はなんとなくわかるけど、新しく理解したことはなし。難しいよー。次はもっと啓蒙書的なものを選ぼう。2015/05/18
サスケ
1
どういう経緯で今のような生物、そして脳ができたのかを把握したくて最初に手に取った本。 難しい。なぜ、ここまで複雑な形態の生物が発生するのか、その基本的なところから腑に落ちていない。 内外、前後、先と後、左右の軸が大切。(内外は違ったかな) 先端と後端の間の科学物質等の濃度勾配により、特定の遺伝子が発現、抑制され、そのために細胞の機能やその領域の形態が決まってくる。 等々。 もっといろいろと読んで全体像を把握したい。2024/07/19