シリーズ生命倫理学
精神科医療

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 237p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784621084861
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C3347

出版社内容情報

医療に関する様々な専門職業倫理、法規制、医療経済・政策論を解説。高齢化や社会福祉に関する情報だけでなく、遺伝子工学、ナノテクノロジーなどの先端技術に関する情報を収載。

生命倫理学は1960年代にアメリカで誕生しましたが、それ以来、実践的学問として医学・医療の分野をはじめ、その他の専門分野や、さらには一般社会にいたるまで、多大な影響を与えてきました。本シリーズはそうした歴史的経緯を踏まえ、「医療現場ひいては社会一般に影響を与えると同時に、医療現場などで実際に役に立つ」ということを基本コンセプトにしています。
 本シリーズの企画の背景には、アメリカのEncyclopedia of Bioethics, 3rd Editionの全訳である『生命倫理百科事典』(2007年、丸善、全5巻、計3500頁)があります。この翻訳は、日本の生命倫理学にとって大きな意義をもっただけでなく、医学・医療の分野はもとより、その他の専門分野や一般社会の要請に応えることができたため、高い評価を受けることができました。本シリーズはこの『生命倫理百科事典』の延長線上の企画として位置づけられます。
 本シリーズは、幅広く生命倫理学及び関連分野の研究者や実務家を結集した一大プロジェクトです。40名の編集委員と総勢約240名の執筆者からなり、編集委員には生命倫理学の分野及びその関連分野で活躍している有能な研究者が就任しています。執筆者は、新進気鋭の若手からベテランまで網羅されています。本シリーズはこのような編集委員や執筆者の努力により、東北大震災などの影響によって当初の予定を遅れたものの、きわめて短期間のうちに刊行に漕ぎ着けることができました。もちろん、編集の過程では多少の軋轢も生じましたが、それらも、より良いものを作る上ではむしろ有益なものとなりました。
本シリーズの読者対象は、?@医療関係者(医師、看護師、薬剤師、コメディカルなど)、?A介護・福祉関係者、?B生命倫理に関心のある人文・社会科学系研究者、法律実務家、学生などです。これらの方々に幅広く読んでいただき、活用していただくことが期待されます。本シリーズは、専門外の人にもわかるように、極力平易に執筆されています。基本事項や概念をわかりやすく説明した上で高度な事項が述べられています。もちろん、本シリーズは現場で役立つことをめざしていますので、具体的な事例なども可能な限り盛り込まれています。

編集委員 ■中谷陽二 ■福井裕輝
1章 精神科治療法の歴史と倫理―精神医学の濫用
2章

内容説明

精神疾患の原因究明と治療開発は生物・心理・社会の多次元にわたる人間存在を対象とすることにより、倫理に関わる問題も複雑である。本巻は臨床と研究におけるインフォームド・コンセントと守秘義務、強制治療と人権、最新の神経科学を応用した治療の可能性と限界など、現代の精神科医療が直面する多様な倫理的課題を取り上げ、実践的指針を提示する

目次

精神科治療法の歴史と倫理―精神医学の濫用
精神科医療の法規制と倫理
精神医学における研究倫理
精神医療と守秘義務の問題
ロボトミー・精神外科・ニューロエシックス―いわゆる内因精神病に対する治療思想の視点から
薬物療法と電気けいれん療法
地域精神医療をめぐる倫理的な問題とはなにか
心理療法
司法精神医学と倫理―鑑定・治療・研究
性と精神科医療の倫理的側面
認知症
自殺と精神疾患
嗜癖と依存

著者等紹介

中谷陽二[ナカタニヨウジ]
筑波大学名誉教授。1947年生。東京医科歯科大学医学部卒業

岡田幸之[オカダタカユキ]
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所司法精神医学研究部長。1966年生。筑波大学医学専門学群卒業、同大学大学院博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。