内容説明
毒性物質を生む元素をめぐる「化学」「歴史」「犯罪」の本。5元素(水銀、ヒ素、アンチモン、鉛、タリウム)を主役、12元素(カドミウム、フッ素、ニッケルほか)を脇役として、発見史や性質、環境中濃度、用途、中毒事故・事件を紹介しました。暮らしや事故・事件とからめて物質の素顔を眺めるうち、『化学』にぐっと興味が湧いてくる…かもしれません。『歴史』がお好きな方は、ニュートン(1章)、ナポレオン(3章)、モーツァルト(4章)、ヘンデルやベートーベン(5章)と元素にまつわる意外な話が楽しめます。『犯罪』の話では、犯人の生い立ちから犯罪の成り行きを経て裁判・処罰まで、たいへん克明な記録が残っていることに驚かされます。
目次
1章 錬金術の毒性元素
2章 水銀
3章 ヒ素
4章 アンチモン
5章 鉛
6章 タリウム
7章 ほかの毒性元素
著者等紹介
エムズリー,ジョン[エムズリー,ジョン][Emsley,John]
1965~90年、ロンドン大学で化学の教鞭をとり学術論文100篇以上を発表。現在はケンブリッジ大学化学科の専属科学ライター。日常生活で出逢うさまざまな化学物質を紹介した「インディペンデント」誌の科学コラム「今月の分子」(90~96年)は好評を博す。科学普及活動に対してグラクソ賞(93年)と英国化学工業協会会長賞(94年)を受賞。“Consumer’s Good Chemical Guide(邦訳『逆説・化学物質』)”は95年のローヌ・プーラン科学書賞に輝いた
渡辺正[ワタナベタダシ]
1948年鳥取県生まれ。東京大学工学部卒、大学院博士課程修了。助手・講師・助教授を経て92年より同大学教授(生産技術研究所)。生体機能化学・電気化学・環境科学などを専攻
久村典子[ヒサムラノリコ]
東京教育大学文学部(英語学英文学専攻)卒業。製薬会社などでの勤務を経て2000年よりフリーの翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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