内容説明
奇跡的に物置で見つかった古いノートが、マリー・キュリーの知られざる一面を明るみに出した。マリーは1907年、自身が発案した「共同授業」の一環として、娘イレーヌを含む子供たちに基礎物理の授業をしていたのだ。生徒のひとりイザベル・シャヴァンヌがとったノートの全貌を、本書に再現してある。マリーが10歳前後の子供たちに行った授業は、「質問」と「実験」を基礎とし、明快かつ独創性にあふれる楽しいものだった。一世紀を経てなお新鮮さと適切さを失わないマリーの授業は、いまの親、教員、そして好奇心ある老若男女すべての心を奪うにちがいない。
目次
第1回 真空と空気のちがい
第2回 空気の重さを実感する
第3回 気圧・水道・ポンプ・アルキメデスの原理
第4回 重さをはかる
第5回 固体や液体の密度をはかる
第6回 いろんな形をしたものの密度をはかる
7章 再びアルキメデスの原理
第8回 船が浮くわけ
第9回 卵を浮かせる
第10回 気圧計をつくる
著者等紹介
吉祥瑞枝[キッショウミズエ]
お茶の水女子大学理学部(物理学専攻)卒業。駐日英国大使館科学技術部上級科学担当官。現在サイエンススタジオ・マリー主宰、2001年より東邦大学大学院理学研究科非常勤講師
岡田勲[オカダイサオ]
1937年東京都生まれ。東京大学大学院修了、理博。84~98年東京工業大学大学院教授、98~03年上智大学教授、03年東京工業大学名誉教授。電気化学、同位体化学、計算化学を専攻
渡辺正[ワタナベタダシ]
1948年鳥取県生まれ。東京大学大学院修了、工博。92年より同大学教授(生産技術研究所)。生体機能学、電気化学、環境科学を専攻
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