内容説明
お酒に強い人と弱い人がいるように、くすりが効く人と効きにくい人がいます。その原因は、わずかな遺伝子の遺いによることがわかり始めています。これからは、自分の遺伝子にあったくすりの種類や量を決める「オーダーメイド治療」をすることで、くすりの相互作用を防いだり、副作用の少ない薬物治療が可能となるかもしれません。本書では、くすりの効き方に個人差が生じるしくみや、どのような遺伝子が原因となるのか、遺伝子診断の方法などを、わかりやすく解説します。
目次
第1章 くすりの効き方と副作用の個人差
第2章 薬物代謝の個人差
第3章 遺伝子多型ができるわけ
第4章 CYPの遺伝的多型
第5章 個体差への対応
第6章 さじ加減を科学する―将来への展望
著者等紹介
鎌滝哲也[カマタキテツヤ]
北海道大学大学院薬学研究科教授。薬学博士。1965年千葉大学薬学部卒業。1967年千葉大学大学院薬学研究科(修士課程)修了。1973年薬学博士(東京大学)。大阪大学蛋白質研究所共同研究員、米国バンダービルト大学博士研究員。1977年慶応義塾大学医学部講師、1982年助教授を経て1985年より現職。研究分野は薬物代謝の薬理学的・毒性学的研究
千葉寛[チバカン]
千葉大学大学院薬学研究院教授。薬学博士。1975年千葉大学薬学部卒業。1977年同大学院修士課程修了。同年国立医療センター臨床研究部研究員。1983~1985年米カリフォルニア大学サンフランシスコ校博士研究員。1988年国立医療センター臨床研究部室長。1993年国立国際医療センター研究所室長。1996年より現職。研究分野は薬物動態学
有吉範高[アリヨシノリタカ]
千葉大学医学部附属病院薬剤部助教授・副薬剤部長。薬学博士。1988年長崎大学薬学部卒業。1990年九州大学大学院薬学研究科修士課程修了。1993年九州大学薬学部助手。1995年~1996年米ウィスコンシン大学マディソン校博士研究員。1997年北海道大学薬学部助教授。2001年より現職。研究分野は医療薬学、薬理遺伝学
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