出版社内容情報
《内容》 II巻では、インスリン・抗腫瘍薬・抗ウイルス薬・抗うつ薬・催眠鎮静薬などの治療薬、エタノール・コカイン・麻薬などの乱用、ガスおよび工業用品、農薬、ヘビ・クモ・ハチ・キノコ・魚介類・ニコチンなどの自然毒、アルカリ・酸・家庭用洗剤などの家庭用品について述べる。各薬物については薬理と病態生理、臨床所見、鑑別診断、検査、治療、最終処置、後遺症などの項目に分かれて詳細な記述がある。付録では、病院間転送の基準、薬毒物の治療濃度と中毒濃度、薬物および解毒剤の投与量、情報提供データベースなどについて述べる。各章のはじめに要点がまとめられている。
《目次》
治療薬 48テオフィリン/49選択的β-アドレナリン受容体作動薬/50経口血糖降下薬/51インスリン/52イソニアジドおよびその他の抗結核薬/53抗腫瘍薬/54麦角アルカロイド/55ヘパリン/56抗コリン薬および抗ヒスタミン薬/57カルバマゼピン/58フェニトイン/59バルプロ酸および新しい抗痙攣薬/60抗ウイルス薬/61抗マラリア薬/62環系抗うつ薬/63セロトニン再取込み阻害薬、新しい抗うつ薬、セロトニン症候群/64リチウム/65抗精神病薬/66モノアミン酸化酵素阻害薬/67催眠鎮静薬/68バルビツール酸系催眠薬/69ベンゾジアゼピン/70禁断症候群/71ジスルフィラム/72合成男性ホルモン-タンパク同化ステロイド/73甲状腺ホルモン
乱用 74エタノール/75コカイン/76アンフェタミン/77麻薬/78興奮剤/79有機溶媒
ガスおよび工業用品 80一酸化炭素/81煙の吸入/82症状がただちに現れるガス/83症状が遅れて現れるガス/84催涙剤:催涙ガス、トウガラシ/85金属フューム熱/86シアン化物/87硫化水素/88ヒ素/89鉛/90水銀/91タリウムおよびその他の金属/92防腐剤・消毒剤・滅菌剤/93エチレングリコール、メタノール/94イソプロパノール/95グリコールエーテル類、ジエチレングリコール類/96放射線/97脂肪族炭化水素/98ハロゲン化炭化水素/99芳香族炭化水素/100パイン油、テレピン油/101ポリ塩化ビフェニル(PCB)および関連物質
農薬 102有機リン系、カーバメート系殺虫剤/103ピレトリン、ピレスロイド系、有機塩素系殺虫剤/104N,N-ジエチル-3-メチルベンズアミド殺虫剤/105メタアルデヒド/106パラコート、ジクワット/107ワルファリン系殺そ剤/108非ワルファリン系殺そ剤
自然毒 109ガラガラヘビ/110サンゴヘビ/111ドクイトグモなどの壊死性クモ/112クロゴケグモ/113サソリ/114ハチ/115キノコ/116植物:中枢神経毒/117植物:心血管毒/118植物:消化管毒/119ボツリヌストキシン/120食中毒/121魚によるヒスタミン中毒、およびシガテラなどの魚介類中毒/122海産刺降咬毒/123ニコチン/124植物:液果、漿果
家庭用品 125アルカリの経口摂取/126酸の経口摂取/127フッ化水素酸/128ボタン電池/129家庭用洗剤
付録
A急性無毒性中毒/B患者の治療拒否:法律の問題点/C病院間転送の基準-EMTALA /D薬物と毒物:治療濃度と中毒濃度/E薬物および解毒剤の投与量/F情報提供データベース
内容説明
本書は、まず第一に、随所に新しい視点が盛り込まれている。たとえば、日本でも問題になっている物質乱用に6章が、薬草や栄養補助食品による中毒に1章がさかれていて、この問題についての先行指標でもある米国の実態を知ることができる。第二に、物質別の記述以外に、本文の4分の1が、中毒患者の治療総論と、臓器別に中毒を扱っている。第三に、新しい形の食中毒を含め、当然ではあるが、アメリカ大陸における動植物中毒の詳細をカバーしている。第四に、参考文献が新しく、ほとんどが1990年以降のもので、全体を通じて最新の知見が網羅されている。第五に、薬毒物の中毒濃度や、治療薬・解毒薬の投与量など実用性の高い付録が充実している。
目次
3 原因物質別対応(治療薬;乱用;ガスおよび工業用品;農薬;自然毒;家庭用品)
付録(急性無毒性中毒;患者の治療拒否:法律の問題点;病院間転送の基準:EMTALA;薬物と毒物:治療濃度と中毒濃度;薬物および解毒剤の投与量;情報提供データベース)
著者等紹介
内藤裕史[ナイトウヒロシ]
筑波大学名誉教授。昭和35年札幌医科大学卒業。昭和36年札幌医科大学助手。昭和39年~昭和42年米国エール大学付属病院麻酔科研修医。昭和44年札幌医科大学助教授。昭和46年~昭和47年米国エール大学薬理学研究室研究員。昭和51年筑波大学教授。平成7年4月茨城県立医療大学副学長、筑波大学名誉教授。平成13年3月茨城県立医療大学退職、つくば中毒研究所所長。財団法人日本中毒情報センター理事
横手規子[ヨコテノリコ]
科学技術翻訳家。昭和42年東京大学薬学部薬学科卒業
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