内容説明
皮肉なことに、現代日本の危機は「国民の富」が巨額の政府預金として蓄積され、それを取り崩すことが無尽蔵と思えるほどの政治利権となったことから生じた―。しかもこれは国会議員と政府機構がその利権を当然の既得権とみなすかぎり、決して犯罪として断罪されることはない。このデッドロックを打開するための鍵を、様々な事例を取り上げながら解説し、財政崩壊を防ぐための整合的対策を考察する。一般人向けのみならず、大学テキストとしても最適。
目次
財政危機のなかの公共政策
国家財政破綻の構造
崩壊に瀕する地方財政
財政投融資論
公共建設の脆弱性
環境政策における費用負担と責任帰属
ゴミ行政の責任体制
国公債利払いの致命的重荷
利払い停止の必要性と更生法の原理
国家債務整理と減価する公債〔ほか〕
著者等紹介
河宮信郎[カワミヤノブオ]
1939年、広島県生まれ。中京大学経済学部教授。東京大学工学部卒・修士課程修了、名古屋大学工学部助手、中京大学教養部教授を経て現職。専門は環境経済学・科学技術論
青木秀和[アオキヒデカズ]
1955年長野県生まれ。名古屋市立大学事務局勤務。緑の共生社会研究所共同代表。エントロピー学会・ゲゼル研究会所属。大学卒業後、ある準大手ゼネコンに勤務。その後、公務労働者に転じ、民生・土木・環境保全部門を経験。90年代初頭から河宮信郎と共同研究を開始
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