感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
3
従来の統計力学から量子力学の密度行列、生成消滅演算子、経路積分、物性の理論まで幅広く網羅されているのが本書の特徴である。従来の記号使用と異なり(分数関数は「Z」でなく「Q」)、近似での計算の妥当性の根拠が省略されていたりと立ち止まる箇所もあるが、著者が駆使した経路積分やファインマン・ダイアグラムに関する説明は入念であり、場の量子論につながる基礎的な導入としても読める。『ファインマン物理学』(力学、熱力学、電磁気学、量子力学)読了後に読むべき内容だが、著者が統計力学領域を自力で組み直す思考過程を体感できる。2018/11/20