内容説明
作曲家としてはもちろん、演奏家としても天才だったモーツァルトは、どのようにピアノを弾いたのでしょうか。ピアニストの立場からモーツァルトの人間像、作品像に新しい視点を提供します。
目次
第1章 ウィーン・デビュー
第2章 クラヴィーア
第3章 トルコ行進曲をめぐって
第4章 サロンの音楽
第5章 ローザのためのピアノ・ソナタ
第6章 即興
第7章 コンサートの再現
エピローグ モーツァルトを弾く
感想・レビュー
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ヴェネツィア
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音楽史でもあるのだが、ピアニストの著者のモーツァルトを演奏する上でのあくなき探求の一環でもある。現代の私たちが聴くピアノリサイタルとモーツァルトの時代(18世紀後半)のそれとは大きく異なっている。そもそもピアノは、まだ誕生して間もないピアノフォルテである。ピリオド楽器が見直されて以来、私たちも聴くことができるようになったが、本体は木製であるばかりではなく、鍵盤のタッチもはるかに軽くなめらかである。演奏会のあり方も、会場の規模も違う。聴衆の受け止め方も違っていただろう。歴史的な考察と同時に演奏家としての⇒2023/11/14