内容説明
ダイビングに、地球上で最適の条件を備えているのが南太平洋であることに異論はないだろう。昼夜に関わりなく海に潜ることもできる。では、人をを夢中にさせるダイビングの魅力、醍醐味はどこにあるのか。共通して言えることは、海面下において繰り広げられる自然の驚異を独り占めし、かつ三次元の世界、いわゆる羊水の中に自らが戻り、外界の一切の雑音から逃れたいという、内なる原始性が働いていることだけは確かであろう。この本は、海の魅力と人との出会い、そして南太平洋の文化について多角的に綴ったフィールド・ノートである。
目次
1 熱帯の海の博物誌
2 すべての原体験はソロモンに始まる
3 災い転じてダイビングチャンスをつかむ
4 レック・ダイビング(難破船探索)と潜水病
5 海で金縛りにあう―潮流に身をまかせる
6 南太平洋理解のキーワード
―プランテイション
7 絶海の中の人間関係
8 あるダイバーの死―弔いダイビング
9 人はなぜ潜るのか
10 生活としてのダイビング―アイランダーとしての生活体験
11 マリナス洞窟の秘密
12 サンゴ礁とODA―ダイバーの目を通してみた
13 ダイビングスポットとしてのコスラエ島
14 サブ・カルチャーとしてのダイビング