内容説明
本書は、イギリス人の、とくにアングロ・サクソンの政治的英知と底力とよぶべきものの変遷をたどることで、現代の日本人が、自身の国家像を見出すヒントを提供している。
目次
第1部 イギリス人の国家観(イギリス・コモンウェルスの構想;イギリス・コモンウェルスの弁護;イギリス・コモンウェルスの再生)
第2部 イギリス人の自由観(古典的自由主義;自由放任主義;理想主義;新自由主義)
著者等紹介
名古忠行[ナコタダユキ]
1942年京都府生まれ。1965年同志社大学法学部政治学科卒業。1968年同志社大学大学院修士課程修了。法学修士。1988年‐89年、オクスフォード大学ナフィールド・カレッジおよびラスキン・カレッジにて研修。山陽学園大学コミュニケーション学部教授。岡山大学法学博士。専攻は、政治学・英米政治思想史
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感想・レビュー
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Francis
10
17年間も積読してた…。何やってんだか。トマス・モアからベヴァリッジまでの自由主義・社会主義者たちが自由についてあるいは社会・国家についてどう考えていたのかを略述。ただ、一人一人に割いた紙幅が少ないので消化不良気味なのは否めない。もう少し人数を絞って個人の思考をもっと深く掘り下げて書いた方が良かったのではないだろうか。2022/08/14
の
2
イギリスの政治目的である"commonwealth(共同の富・共通の財産)"を、歴史を追いながら展開していく。読みながら感じていたが、イギリス人の思想には常に「美意識」が内在している。それは芸術と共に国家が成長してきたからではないだろうか。2010/09/13
ぽん教授(非実在系)
0
コモン・ウェルスをトマス・モアからベヴァリッジまで様々なイギリスの思想家の見方を追って説明するという内容。 コモン・ウェルスを保守するバークやバジョットから、積極的自由を与えようとするグリーンやホブハウスまで、イギリスにおける左右がだいたい網羅されているが、両者とも自由を大切にする国家、という点では一致している。 そういう意味でイギリス経験論的な見方を一気に概観することができる良書である。 ただ、サッチャーの新自由主義やブレアやギデンズの第三の道などまで解説してほしかった。2013/04/23




