内容説明
ミクロでもなく、マクロでもないメゾスコピック系と呼ばれる世界―最近は、なぜか中間の大きさを持った世界が注目を浴び、テクノロジーと学問の進歩に大きく貢献している。このあまり耳慣れない系は身近に存在しており、私たちの生活と無縁な世界ではない。このような世界ではもはや、従来の固体物理の常識では理解できない不思議な現象が起こる。本書は、数式にたよらず、この新しい領域に足を踏み入れた画期的な解説書である。
目次
1 マクロ、ミクロ、そしてメゾ
2 テクノロジーと物理学
3 微粒子はメゾスコピック系の始まり
4 アハロノフ‐ボーム効果とコンダクタンス揺らぎ
5 バリスティックな伝導―歴史は繰り返す
6 一電子輸送現象―電子の回転ドア
7 フラーレンとカーボンナノチューブ
8 光るシリコン
9 人類はミクロの世界を支配できるか