内容説明
著者のマーミン博士は、科学をいかに分かりやすい文章・スタイルで説き明かすかに強い関心をもつ世界的な物理学者。本書では、ミクロ世界の自然が決まった“部品”からできているのではなく、きわめて奇妙な確率的存在であること、そしてこの世界では、観測するという行為自体が対象に影響を与えることになり、観測そのものが原理的に不可能であること、などを平易・簡潔に解説。
目次
1 量子のミステリー
2 ひいきチームの加勢ができる?―アインシュタイン‐ポドルスキー‐ローゼンの実験形而上学
3 気味の悪い遠隔作用―量子論の不思議
4 青天の霹靂―アインシュタイン‐ポドルスキー‐ローゼンのパラドックス
5 ニールス・ボーアの哲学的著作
6 量子論の醜い混乱
7 夢見が悪いのはなぜ?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こたろう
1
量子論について物理を知らない人に向けて書かれた、エッセイのような本。最初の思考実験の章は、類書では読んだことのない内容だった。後半は、量子力学が発案された当初のアインシュタインやボーア、ハイゼンベルクたちの意見の相違について記載されている。この手の話は、他書でももっと詳しい内容がある。しかし、残念なことに翻訳の質はかなり悪い。2019/12/08
belier
0
今年のノーベル物理学賞の対象になった、アインシュタインの敗北を決定づけたという「アスペの実験」のしくみを少しはわかりたいと読んでみた。ほんの少しわかったと言えるかぐらいの理解だが、読んで損はなかったと思う。2022/11/01