内容説明
現代生物学は、観察から実験へ、天然から人工へ、マクロからミクロへ、そしてその成果に立ってのマクロ像の再構築へと多様な変貌を遂げてきた。物理的研究法は、生物・化学的研究法の進歩と相俟って、生物学のフロンティアを大きく押し広げてきただけでなく独自の視点を獲得しつつある。本書は、このような実験生物物理学のダイナミックに動いている現状を解説した。
目次
1章 人工細胞へのアプローチ―細胞形態の再構築
2章 タンパク質の形を決める―二次元結晶化
3章 運動をナノメートル精度で測る―顕微計測
4章 光学顕微鏡の限界を広げる―ビデオ顕微鏡
5章 細胞構造を見る―電子顕微鏡
6章 原子・分子像を描き出す―走査型プローブ顕微鏡
7章 複合構造を分子レベルで探る―中性子散乱
8章 分子内構造を捉える―レーザーラマン分光
9章 立体構造を解く―NMR分子構造解析法